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木造住宅に屋上庭園を
驚きの製品を驚きの価格で !

更新日:2012年06月13日

黒曜石パーライトという素材を使った機能性の高い建築資材の専門メーカー、東邦レオ(大阪府大阪市)。同社はこの素材を活用し、壁面や屋上緑化などの環境ビジネスを展開している。中でも、2011年に立ち上げた屋上庭園事業は、新しいビジネスモデルとして注目を集めている。
 


 
現在提案している屋上のパターンは全部で6種類
完全パッケージ化で「いいものを驚きの価格で」提供することを実現。上はベーシックプランにプラス40万円で選べるアウトドアダイニングプランのイメージ図。現在提案している屋上のパターンは全部で6種類。これまでオーダーメイドでつくってきた経験から、好まれるスタイルをパターン化した
 
 
東邦レオ・橘俊夫社長
東邦レオ・橘俊夫社長。自身が新入社員だった頃を振り返り、「こうすれば力を発揮できるだろう」と思うことはすべて実践しているという
 
 
「課題解決提案シート」や「社長アンケート」
「課題解決提案シート」や「社長アンケート」で、社員の考えが社長にダイレクトに伝わる
 
 
 
 
 

屋根と同等価格で屋上庭園を

軽くて断熱性があり、吸音性、吸湿性にも優れた建築素材――。それが「黒曜石パーライト(以下、パーライト)」だ。「父がパーライトの特性にいち早く着眼し、会社を創業した」。東邦レオ・橘俊夫社長はこう語る。同社は、パーライトの特性を生かした天井吹き付け材や軽量コンクリートを開発。機能性に優れた商品を生み出し、業績を伸ばしてきた。

現在とくに力を入れているのが、屋上緑化事業だ。1985年にパーライトから土壌改良材を開発したことがきっかけとなり「これからは環境やエコがビジネスのキーワードになる」と、建築素材だけでなく屋上緑化市場へと進出。中でも大躍進を見せているのが、木造住宅に、屋根の代わりに屋上庭園をつけることを提案するプラスワンリビング事業だ。

2011年4月に本格始動した同事業は、現在130社に上る工務店とパートナー契約(販売契約)を結んでいる。同社としては、更にパートナー数の倍増を図る予定だ。

この大躍進について、「驚きの製品を驚きの価格で提供することができたから」と橘氏は語る。商品開発のきっかけは、取引先に「鉄筋コンクリートの建物で屋上緑化ができるのならば、木造住宅でもできないのか?」と聞かれたことだという。

それまで同社が扱っていたのは、鉄筋コンクリート製ビルの屋上を緑化すること。一般家屋などの木造建築は取り扱ったことがなかった。ビルと比べ、木造建築は水に弱く、雨を左右に流すために、屋根が傾斜をつけた三角形になっている。そのため、これまで木造建築に屋上をつけるという発想そのものがなかったのだ。

だが、考えてみれば、防水技術の目覚しい進歩により、木造でも平らな屋上をつくることが可能になっていた。橘氏は、ここにビジネスチャンスを感じた。

パッケージ化でコスト削減

木造でも屋上庭園はつくれる――。そのことに気がついた同社では、金額について概算を出し、木造住宅を扱う工務店に見積もりを見せた。ところが、「『屋上庭園が欲しいと思っても、この価格で買う人は少ないだろう』と言われた」(橘氏)。屋上庭園は魅力的だが、一般の家庭で、多額の費用をかけてまで屋上をつけたい人は少ない……。それぞれの好みを聞きながら施工するやり方では、価格が高すぎるというのだ。

通常であれば、そこで終わってしまった話かもしれない。だが、同社では、「今ある屋根と同じ価格で屋上庭園をつけることができれば、魅力的な商品になる!」と発想を転換。通常の屋根をつけるのと変わらぬ価格で、どうやれば木造住宅に屋上庭園をつけることができるのかを検討した。そしてたどり着いたのが、スタイル別にプランを絞って販売する完全パッケージ化だった。

こうしてできた商品が「プラスワンリビング」だ。屋根と同等の価格でできるベーシックプランと、菜園やバーベキューセットがついたアウトドアダイニングや、芝生にくつろげる家具を配置したアウトドアリビングなど、オプション金額を追加すれば選べる五つのプラン。商品はこの六つのみ。オプション価格はプラス40万円と60万円の2パターンだ。さらに金額は前金制にした。これにより、請求のタイミングが相手によって変わらずに、請求書も同一フォーマットで対応できるようになった。

商品の単純化と事務処理の徹底した合理化で、煩雑な作業によるタイムロスまでも削減。通常の屋根と同じ価格での屋上化を実現させた。

若手の能力を引き出す社風


こうした新事業成功の背景には、若手の力を引き出そうという橘氏の姿勢がある。その取り組みの一つとして、橘氏は毎年社員に対して「社長アンケート」を実施している。「今の会社に満足しているか」「満足していない点はどこか」との内容から、「今後何をやりたいか」「海外で仕事をするとしたらどの国がいいか」など、質問項目は多岐にわたる。ここに記載された事項は集計され、経営に役立てているという。

また、これに目を通すことで、社員がどんなことを考えているのかを橘氏は知る。さらに、斬新なアイデアがあれば、年齢や役職にとらわれず、実際にやらせてみる。

実は、プラスワンリビング事業を率いる取締役は、現在34歳という若さだという。入社2年目からマネジメントに興味を持ち、「自分ならこうする」という具体的な提案を提示し、「やらせて欲しい」と訴えていた。「彼の具体的な提案が、おもしろいと感じた。部長と相談し、まずはマネジャーという役割を与えた」(橘氏)。

そこで思う存分力を発揮した結果が、現在のプラスワンリビング事業にもつながっていった。

だが、これは、同社独自の社風があってこそできるものだ。若手の意見を吸い上げ、それを形にしていくのは簡単なようで難しい。アイデアを出した人物が経験の浅い若手であれば、経験を積んだ社員と対立構造に陥ってしまうことがあるからだ。

若手の持つ斬新なアイデアを認め、年輩社員がそれをうまくサポートする――そのような会社の風土が確立していなければ、せっかくのアイデアも実になる前にしぼんでしまう。年配社員も若手も含むチーム全員で盛り立てていこうという意識があるからこそできることなのだ。

この風土は一朝一夕にできるものではない。同社では、橘氏主導で、30年以上前から徹底した社員教育を行なってきた。その努力が、ここにきて実を結んでいる。

「『家をECサイトで販売する』など、形になろうとしているアイデアはまだまだいっぱいある」と橘氏。若手の能力を引き出し、事業展開を進めている同社。今後も、新しい価値を創造し続けていくことだろう。

Company Profile

東邦レオ
大阪府大阪市中央区上町1-1-28
資本金 3億720万円
従業員 200人
06-6767-1210
http://www.toho-leo.co.jp/