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会員制リゾートクラブ業界
ベンチャー・リンク2008年12月号

更新日:2009年02月02日

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現在の会員制リゾートクラブの市場規模は2500億円ほどといわれ、社会経済生産性本部の『レジャー白書2008』によれば、会員制リゾートクラブの売上高は、07年で前年比15%増と急伸している。


従来はなかった都心型や週単位タイプなどが登場

リゾートトラストが満を持して開業した都市型完全会員制リゾートホテル「東京ベイコート倶楽部」。東京・台場という好立地にある。
リゾートトラストが満を持して開業した都市型完全会員制リゾートホテル「東京ベイコート倶楽部」。東京・台場という好立地にある。
会員制リゾートクラブとは、運営会社に預託金を支払い、建物の共有持分の所有権とともに会員権を得て、格安料金でホテルなどを利用できるサービスだ。不動産神話に浮かれたバブル期までは、会員権が投機対象にもなり、実需以上に価格が高騰した。

だが、バブル崩壊の余波を受けて運営会社が倒産し、高額な会員権が一瞬にして紙くず同然になるなど、問題が相次いで業界全体に風評被害が及んだ時期もある。その苦しい期間を経たことで業界再編が進み、バブル崩壊の混乱が収束してきた2000年頃から市場は持ち直して順調に復活してきた。

08年、東京・台場にリゾートトラスト(名古屋市)の新しい会員制リゾートホテル「東京ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート」が誕生した。米ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルやクライスラー・ビルなどで知られるニューヨーク・アールデコのデザインで統一され、地上27階、約2300平米の巨大スパエリア(温浴施設)や高さ100mの夜景が楽しめるバーなど、豪華を極めている。通常、会員制リゾートクラブが運営するホテルはリゾート地の立地が多いため、リゾートトラストの都心進出は業界に大きな衝撃を与え、その成否が注目されている。年間に12泊または24泊の利用で会員権販売価格は約700万〜4000万円と、業界の中でも最高クラスの価格設定だが、資産に余裕のある「リッチシニア層」に好評だという。

対照的に、買い求めやすい価格で会員権を販売しているのが、東京急行電鉄(東急、東京都渋谷区)の「ビッグウィーク」だ。リゾートホテルの1室を1週間単位で宿泊できるタイムシェアシステムを導入。オンシーズンとオフシーズンとで販売価格が異なり、10年利用で35万〜260万円という価格設定で、富裕層でなくても手が届く。ホテル内にレストランがなく、温泉など付帯施設も少ないという側面もあるが、長期休暇で家族そろっての利用を想定し、客室は6人までの宿泊が可能な広さを確保するなど、リゾートホテルとしての条件は十分に整っている。

会員制リゾートホテルは元々、富裕層向けの余暇ビジネスであり、かつては金持ちのステータスシンボルとして脚光を浴びていたが、バブル崩壊とともに路線変更して、新たな顧客層の掘り起こしが加速している。

左/「東京ベイコート倶楽部」にある露天ジェットバス。プライベートが確保された空間で、東京の街並みを一望できる。右/和の雰囲気をもとにリゾートクラブの高級感を出したリゾートトラストの「エクシブ京都八瀬離宮」。豪華ななかに懐かしさのあるデザイン。 <br />
左/「東京ベイコート倶楽部」にある露天ジェットバス。プライベートが確保された空間で、東京の街並みを一望できる。右/和の雰囲気をもとにリゾートクラブの高級感を出したリゾートトラストの「エクシブ京都八瀬離宮」。豪華ななかに懐かしさのあるデザイン。

レジャーと健康維持を兼ね備え新規客を狙う

「活況を取り戻した一因は、新市場の開拓にある」と『月刊レジャー産業資料』編集部主査の山崎博氏は話す。
「より低価格でサービスを提供するクラブが現われるなど、業界では新たな動きが出ています。商品の特性からいっても、対象は資産にも時間にも余裕のあるシニア層が中心であることに違いはないのですが、シニア層に入りつつある団塊世代は、個々の趣味嗜好が多様なことでも知られています」。このため、従来と同じように、会員権を持つことで得られる満足感だけでは、多様なライフスタイルを持つ団塊世代を取り込めない。そこで、業界各社はさまざまな仕掛けや取り組みに余念がない。

そのひとつが、付帯施設の充実だ。これまで、リゾートといえば、ゆったりとした時間を過ごす場所とのイメージがあったが、休暇中にレジャースポーツなどを積極的に楽しむ「アクティブシニア層」が増加してきたためだ。各企業は用地買収や提携などによりゴルフやスキーなどのアクティビティー(リゾート地での活動)を拡充させている。なかには、昨今のブームを反映してペット同伴を認めているホテルもあり、愛犬を自由に走らせることができるドッグランスペースを設けているところもある。

70年に事業を開始した老舗のダイヤモンドソサエティ(大阪市)も、アクティビティーに力を入れている。特にクラブイベントを精力的に開催しており、200人以上を集めるゴルフコンペなどが好評だ。会員限定のほかに、非会員を招くこともあるなど、各施設でさまざまなイベントを催している。
「イベントで来館していただき、当ホテルがわが家のようにくつろげる場所であることを理解していただきたいのです」とダイヤモンドソサエティ秘書室の兵頭孝信氏は話す。なお、会員権購入の主なきっかけは「利用者からの紹介」というデータがあり、こうしたイベントは顧客満足度の向上だけでなく、新規顧客の獲得にも貢献している。

ほかに変わったところでは、リゾートトラストの「グランドハイメディック倶楽部」が挙げられる。最先端の検診技術を備えた優秀な医療スタッフによる予防検診を受けられる会員制サービスを山中湖、大阪、東大病院の3施設で展開しており、山中湖ではリゾートホテルを満喫しながら高精度の検診を受けられる。健康が気になり始める年代であるリゾート業界の主顧客の要望に応えたサービスだ。

1/ダイヤモンドソサエティが経営する、02年に完成した「ダイヤモンド滋賀」。開放的なロビーを設け、優雅さを演出する。2/「ダイヤモンド滋賀」には、保温効果の高い甲賀温泉「やっぽんぽんの湯」を用意。サウナ、家族風呂、岩盤浴なども用意されている。3/東急不動産の新ブランド第1号施設となる「東急ハーヴェストクラブヴィアラ箱根翡翠」。ワンランク上のサービスを提供する。4/10年6月開業予定の「東急ハーヴェストクラブヴィアラ有馬六彩」は、同ブランドの第2号店。関西の奥座敷として人気の温泉地だ。
1/ダイヤモンドソサエティが経営する、02年に完成した「ダイヤモンド滋賀」。開放的なロビーを設け、優雅さを演出する。2/「ダイヤモンド滋賀」には、保温効果の高い甲賀温泉「やっぽんぽんの湯」を用意。サウナ、家族風呂、岩盤浴なども用意されている。3/東急不動産の新ブランド第1号施設となる「東急ハーヴェストクラブヴィアラ箱根翡翠」。ワンランク上のサービスを提供する。4/10年6月開業予定の「東急ハーヴェストクラブヴィアラ有馬六彩」は、同ブランドの第2号店。関西の奥座敷として人気の温泉地だ。

 

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