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数字が語るこの市場の深層
日本発の大衆文化として世界的に定着したカラオケ〜スマホの登場で新たなトレンドも

更新日:2013年02月13日

年度末が近付いてきた。3〜4月は節目とあって歓送迎会のシーズン。金曜夜の開催ともなればカラオケボックスで明け方まで……という方々も多いのではないだろうか。英語でも「KARAOKE」と言われるように、日本発の大衆文化として世界的に定着したカラオケ業界だが、国内では人口減少のトレンドに直面し、新たな打ち手を迫られている。
 

 カラオケ人口は横ばい続き

カラオケ市場では80年代後半からカラオケボックスが普及。90年代に入ると、通信カラオケの登場により、新曲がいち早く配信され多くの歌を楽しめるようになるなど、カラオケは国民的な娯楽として定着した。90年代半ばには、通信カラオケ市場に10を超える企業が参入するなど盛り上がりを見せ、1995年のカラオケ人口は6千万人近くに達した(グラフ1)

市場規模は近年、堅調に推移

同じ音楽市場でもCD売上は21世紀に入っても低迷し続けたのに対し、カラオケ人口は2000年頃で下げ止まった。過去10年間は緩やかに縮小、近年はほぼ横ばいの傾向だ。2011年は、東日本大震災やその後の計画停電に見舞われたものの、大きな落ち込みはなかった。カラオケボックスのルーム数も過去4年間、12万8,500ルーム前後で推移している。大きなプラスの兆しはないものの、需要の底堅さがうかがえる。

カラオケボックスが市場の「稼ぎ頭」

一時に比べ減少したカラオケボックスではあるが、業務用カラオケ市場では6割以上を占める「稼ぎ頭」であることに変わりはない(グラフ2)。全国のルーム数は約12万8,400ルームで、カラオケボックスの施設数は9,137施設(2011年)。全国カラオケ事業者協会の推計では、1ルームあたりの月間売上推計値は約25万円、年間トータルで約3,850億円にもなる。

カラオケ市場ではカラオケボックスが「稼ぎ頭」

これに次ぐのが、クラブやスナック、パブなど飲食店でカラオケが導入されている「酒場市場」。これが年間1,806億円を売り上げているとみられる。このほか、宿泊施設など「旅館・ホテル市場」での売上が65億円、観光バスや結婚式場など「その他の市場」での売上が331億円と見積もられている。

施設は大型化・集約化

90年代終盤から、カラオケボックスのルーム数減少を裏付けるようにカラオケボックス施設数も減る傾向にあった(グラフ3)。1996年には14,810の施設があったが、2011年は9,137と過去十数年間で約4割も減少した。

施設は大型化・集約化の傾向

ところが全体の施設数が減っても1施設あたりの平均ルーム数は逆に増える傾向にある。2001年までは1施設あたり10〜11ルーム台で緩やかに増えていたのが、02〜08年には12〜14ルーム台にまで増えるに至った。中小店舗の撤退が相次ぐ一方で、大型チェーン店の施設が増えるなど大型化・集約化が進んだことが背景にある。この間、通信カラオケ業界の再編も進み、現在は第一興商とエクシングの2社が同市場を分け合っている。

注目の新市場「1人用カラオケ」


近年のカラオケ人口は大きな目減りこそしていないものの、今後の少子高齢化を考えると、従来のカラオケとは違う形で新たなマーケットを開拓する必要があると考えられる。カラオケボックスは「箱モノ」を拠点とするビジネスである以上、施設の稼働率をいかに高めるかがポイントとなる。その意味で最近、メディアでも取り上げられた「1人用カラオケ」は注目だ。

「1人用カラオケ」とは、1人専用の個室型カラオケ。1人でのカラオケ利用者が増えている傾向を踏まえ、チェーン店の中には、複数の人が使う部屋よりもコンパクトなルームを設置する動きが出始めている。昨年6月に「1人用カラオケ」の利用動向を調べたアンケート調査「J-Net21業種別スタートアップガイド/消費者利用動向」によると、「1人用カラオケボックス」は、利用経験者が未だ1割に満たない「新市場」。しかし、全体的に少ないながらも年代・性別では、20代男性(8%)と30代男性(6%)の利用率が比較的高く出た(グラフ4)

新市場「一人用カラオケ」の利用状況

カギは「スマホ」世代!?


アンケートでは、今後の利用意向についても調べている(グラフ5)。「ぜひ利用したい」または「どちらかといえば利用したい」と答えた人の割合は、20代30代男女と40代女性で10%以上に達している。総じて若い世代ほど利用意向が高いことがうかがえる。最近は、アミューズメント施設やボウリング場など、カラオケ以外の娯楽施設でも若い世代を中心に「お一人様」の利用が増えているようであり、「人付き合いと、心からの満足を得る時間をはっきり区別したい、という若者心理の変化を映している」(『日経MJ』2012年7月27日)という社会的背景もうかがえる。

「一人用カラオケ」の利用意向は、総じて若い世代で高い

若い世代は、スマートフォンの利用率も高い。スマートフォンやタブレッド端末用のカラオケ・アプリも登場してきていることから、今後は、若い世代を中心に自宅でカラオケを楽しむといった、新たなトレンドが出てくる可能性も考えられる。