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数字が語るこの市場の深層
家事代行サービス市場が女性の社会進出を支えるビジネスとして注目!

更新日:2012年12月19日

炊事、洗濯、掃除などの家事全般や一部を代行する家事代行サービスの市場を分析。背景には、高齢化の進行に加え、単身世帯や共働き世帯の増加もあり、とくに女性の社会進出を支えるビジネスとして注目を集めている。
 

利用金額は堅調に推移

テレビでは、ドラマ「家政婦のミタ」が絶大な人気を集めたが、現実世界でも、炊事、洗濯、室内や庭の掃除など通常の家事を代行する「家事代行サービス」が成長している。本サービスの中には、一般に次のようなものが含まれる。

・家政婦
・ホームヘルパー、ハウスキーパー、ベビーシッター
・ハウスクリーニング
・庭の掃除、除草

総務省統計局「家計調査」によると、2011年の1年間に家計が家事代行サービスに対して支払った金額は、2人以上世帯平均で1,528円、単身世帯平均で2,165円であり、いずれも2003年から堅調に推移している(グラフ1)。近年では、とくに単身世帯での利用金額が大きく伸びている。

利用金額は堅調に推移

上記金額は集計世帯全体の平均であるため小額に算出されているが、利用世帯のみに限ると、同サービスに対する1回あたり支出額は、2人以上世帯で1万6,978円、単身世帯で1万5,464円程度と推計できる。なお、同サービスの年間利用回数(全集計世帯平均)は、2人以上世帯で0.09回(100世帯あたり9回)、単身世帯で0.14回(100世帯あたり14回)となっている。つまり、2人以上世帯では利用回数は少ないものの1回あたり利用金額が大きく、単身世帯では1回あたり利用金額は小さいものの利用回数が多い、という姿が見えてくる。

地域差のある利用状況

家事代行サービスの利用状況には、女性の社会進出状況などといった地域性も関与していると考えられる。地域別の1回あたり利用金額(利用世帯平均)を見ると、近畿や関東で大きく、また、おおむね大規模な都市ほど大きいという特徴が見られる(表2)

1回あたり利用金額に見られる地域特性


現状は高齢者利用が顕著

家事代行サービスのニーズは大きく3つの視点から見ることができる。

<3つのニーズ>
(1)高齢者世帯
(2)共働き世帯
(3)単身世帯

高齢者世帯には、居住者の体力的な問題から家事代行のニーズが存在し、今後さらに進む高齢化を背景に家事代行サービスは大きな役割を果たしてゆくだろう。

また、昨今増加している共働き世帯のニーズも注目される。仕事と家庭の両立の中で、家事にかける時間を軽減するために同サービスを利用する女性も多い。また女性の結婚・出産後の就業も進んでいることから、共働き世帯には潜在的なニーズも存在していると考えられる。

もう1つ社会の動きとして、晩婚化や結婚をしない人が増えていることから、単身世帯の消費に注目が集まっている。ひとり暮らしにおける不便を補うために同サービスを利用するケースも多く、都市部を中心にニーズは今後さらに増えてくると予測される。

現在の家事代行サービスの利用状況を世帯主年齢別で見ると、2人以上世帯、単身世帯ともに、年齢の高い世帯で家事代行サービスへの支出額は突出して大きく、とくに高齢男性単身世帯の利用金額が大きい(表3)

利用金額が最も大きいのは「高齢のひとり暮らし男性」


女性を中心に今後大きな需要拡大が期待される

女性の社会進出が進むことや、不景気の影響下で結婚や出産後も仕事を持つ女性が増えていることから、女性を中心に今後大きな需要拡大が期待される。野村総合研究所が20〜39歳の女性を対象に実施した「家庭生活サポートサービス」に関するアンケートによると、家事代行サービスなどを含む「家庭生活サポートサービス」を利用している人の満足度は極めて高く、利用経験のある人は今後の利用意向も強い。一方、利用経験のない人においても、「ハウスクリーニング」の利用意向を示している人は約3割であり、今後の需要拡大が期待される(表4)

20〜39歳女性の強い利用意向


求められるサービスの質の向上

家事代行サービスへの需要や期待が高まる中、消費者が安心し安全に利用できることも求められている。家事代行サービスの関連企業などで構成されているホームプロデューサー&アテンダント協会(HPAA)は、業界内のサービスの質の向上を図ることを目的とし、2012年4月にサービス従事者向けの検定制度を始めた。

市場が拡大する一方で、参入企業も多く競争は激化し始めている。そういった中、消費者に選ばれるためには、価格競争とは一線を画した、技術力やサービスの質の向上が一層重用になってくるだろう。