経営者の味方「社長・経営者のための経営課題解決メディア WizBiz」

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  市場分析  >  中古マンション・消費者調査編  詳細

市場を読み解く
中古マンション・消費者調査編
月刊ベンチャー・リンク2009年2月号掲載

更新日:2009年06月23日

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ

今回は住まいに関する消費者アンケートの結果から、中古マンションに対する消費者ニーズを明確にします。市場動向編では、不動産市場全体が低迷している中、新築に対する割安感や政府の住宅政策の後押しもあり、中古マンション市場が拡大していることを明らかにした。
リンク総研が2008年10月に実施したアンケートの結果から、消費者のニーズや傾向を明らかにし、中古マンション業界で成功するためのポイントを考察していきたい。
(株式会社ベンチャー・リンク/リンク総研)


購入希望層の7割が中古物件も検討対象

消費者の住宅購入に関する意識や基準が変化している。特に意識が変わった理由として多かったのは、「景気が悪い」「収入が低くなった」「購入資金が大幅に目減りした」など購入した場合の支払い能力への懸念だ。最近の不動産市況の低迷はマンション価格の上昇もさることながら、消費者の将来的な収入に対する不安、雇用不安に起因するものが大きいようである。そのような状況下で、予算を抑える方策の1つともいえる中古物件について、消費者はどのように考えているのだろうか。

アンケートで、「住宅購入の際に中古を検討するか」を聞いたところ、「中古しか検討しない」という中古積極派は5%だった。ただし、気に入った物件であれば、新築、中古にこだわらず検討するという中古許容派(「新築と中古を検討する」(21%)、「特にこだわらない」(45%)の合計)が66%と非常に多く存在することが分かった。

絶対に新築がいいという回答は29%で、景気先行き不透明感が漂う中、より多くの消費者が新築に比べて相対的に価格が安い中古物件を、持ち家取得の選択肢の1つとして考えている。

住宅を購入する際に中古物件を検討するか


では、どのような人が中古物件を検討しているのか。まず、年代別に見ると、年齢が若い層ほど中古を検討する人が多く、年齢が上がるにつれて中古許容派が減っている。ただし、中古許容派が最も少ないのは50代で、60代以上では50代よりも中古を検討する人が多い。これは加齢による違いというよりも、年齢による収入の違いの影響が大きそうである。

そこで、年収別に見たところ、世帯年収が少ないほど中古物件を検討する割合が高く、年収が高くなるにつれて新築しか検討しないという比率が増えていることが分かった。価値観の変化なども指摘されているが、現実には中古は新築との比較の結果、年収などで物件価格に制約がある層が“消極的”に検討しているケースが多いことがうかがえる。

年収別中古物件に対する意識


物件の安さが魅力だが品質への不安から敬遠

次に、中古も検討すると回答した人に理由を聞いてみたところ、なによりも新築に対する価格の優位性から中古を検討していることが明らかになった。

一方、中古の購入を敬遠する消費者に中古を検討しない理由を聞いてみたところ、「購入後にリフォーム、手直しが必要になるので経済的に損」「耐震強度に不安がある」「修理・メンテナンスの履歴が分からず品質に不安がある」「正しい評価ができない」などが代表的な意見であった。中古物件を検討対象としていない消費者も取り込んでいくためには、こういった不安点をいかに解消していくかがポイントになろう。

中古を検討する理由


このような中古に対する意識の違いは、住宅を検討する際に何を重視するかという質問に対する回答に端的に表れている。例えば、中古積極派、中古許容派、新築絶対派のいずれもが最も重視するのは「価格」であるが、その割合は、(1)中古積極派(35.7%)、(2)中古許容派(33.7%)、(3)絶対新築派(25.3%)――の順である。

中古を検討する度合いが高いほど、価格がカギとなるといえよう。また、中古積極派が他と比較して重視する割合が高いのは、「日当たり」「交通アクセスの良さ」であり、物件の立地環境も重視しているようである。

一方、新築派は他に比べて「耐震性」を重視する比率が高い。中古では建物の耐震性能に関するデータが完備されていないケースも多いため、耐震性を特に重視する消費者はおのずと新築派になるであろう。

 

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ