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数字が語る この市場の深層
ターゲット次第でビジネスチャンスが多い「習い事市場(女性)」

更新日:2011年08月10日

 スキルアップやプライベートの充実など、習い事を選ぶ目的はさまざま。最近では景気低迷に伴う将来への不安から、資格取得やスキルアップにつながる習い事の人気が高まっている。
 


英語やフィットネスクラブは潜在的なニーズがある

スキルアップのため、趣味のために仕事帰りに習い事に行く。そんな人は珍しくない。リクルート(東京都千代田区)が発行するスクール情報誌「ケイコとマナブ」は、20〜34歳の有職の女性を対象に「2009年度人気おケイコランキング」調査を実施。「この1年に経験した習い事」でもっとも多いのは英語だった(表1)

継続して英語が人気

英語と回答した人の割合は、09年度は17.7%。続いてフィットネスクラブが2位、ヨガ・ピラティスが3位だった。

08年度、07年度も英語が1位と順位に変動は見られない。リクルートの学び開発推進室の福永敬弘ゼネラルマネジャーは「海外旅行の際などに英語を話したいなど、ニーズの底辺が広いため、英語の人気は変わらない」と分析する。

フィットネスクラブについても、健康志向や、痩せたいという願望などから安定した人気がある。

「この1年間に経験した習い事」の調査では、資格取得・スキルアップ目的の習い事が増えた点に特徴が見られる。昨年8位だった簿記は6位に、医療(看護・医療事務など)は15位から10位に、行政書士は49位から21位と順位が上がった。

その背景には不況の影響のほかに、最近の「ワーク・ライフ・バランス」を重視する傾向がある。

「ワーク・ライフ・バランス」の実現には、就業時間内に仕事を終わらせられるスキルが必要となる。そこでスキルアップを目指し、習い事を始めるケースが見られる。

また、ゆとり世代の場合、自分にあった働き方を求め、自分らしさを生かせる資格を取得する人もいる。「ちょっと背伸びをすれば取得できるものに人気が集まっている」と福永氏は指摘する。

資格を取得しても、すぐに就職や転職、昇給に結び付くとは限らない。だが、人事担当者の中には資格を取得するプロセスを評価する人もいるため、取得を目指す人も多いという。

同じ分野でリピーターになる人も多い

「これからやってみたい習い事」では、1位が英語、2位が家庭料理、3位がヨガ・ピラティスだった(表2)。この調査からは、家庭料理、パン、お菓子など、多様な料理に人気が集まっていることが読み取れる。「今までできなかったことができるようになる。そうした達成感を料理は得やすいので、習い事が楽しくなり、またやってみようと考える人が多い」(福永氏)

これからやってみたい習い事

実際、「目的の達成度」については、「達成された」が21.1%、「まあまあ達成された」が56.1%と満足している人が多い(グラフ3)

当初の目的を達成した人

達成感が得られるため、習い事市場はリピーターが多い。習い事が好きな人は、一つの習い事が終わっても同じ分野で別の習い事を始める傾向にある。たとえばアロマテラピーの教室に通っていた人が、次に同じ「癒し・健康」に関するリフレクソロジーについて学ぶようなパターンだ。

習い事の人気は、時代の流行に左右される傾向も見られる。たとえばウェディングプランナーが活躍するドラマが放映されると、その分野に関する問い合わせが増加する。今後、人気の高まりが予測される習い事のスタイルとしては、早朝の時間をスキルアップや趣味を楽しむ「朝活」が注目されていることから、「朝にレッスンする『朝活レッスン』の人気が高まると予測している」(福永氏)。

また、仕事を持つ母親や待機児童の増加から、保育士や幼稚園教諭免許、高齢化から介護士や福祉住環境コーディネーター、整体関連の資格、消費者庁の発足やコンプライアンス(法令遵守)団体への関心の高まりから消費生活専門相談員や消費生活アドバイザーなど、需要の増加が見込まれる資格への注目が増しそうだ。

「習い事市場の場合、スクールがヒット商品をつくり出すことは簡単ではないが、世の中のブームに柔軟に対応すれば受講生を集めることはできる」と福永氏は話す。

申し込む前に熟考して決定する

では、実際に習い事をしている人は、どれくらいの費用をかけているのだろうか。

「1カ月の習い事代」の調査によると、「5000円〜1万円未満」が29.1%ともっとも多かった(グラフ4)。スクール選びの決め手としても、料金が1番多い。同社の調べによると、習い事を申し込む前に、まず情報誌やインターネットで講座内容などを調べ、その後体験入学する。それで納得したら申し込む人が多く、大体1〜3カ月をかけて検討するという。「一定期間その習い事を続けられるかを慎重に考えている」(福永氏)

1万円未満が半数を超える

その一方、「デフレが進む中、習い事に関しては価格が下がっていない」と福永氏は語る。無形の商材であり、受講生にとって相場感がないことがその要因だ。

また、スクールのスタッフなども重要な要素だ。通信教育で学ぼうとしても途中で挫折してしまうことも少なくない。パソコンなどを使って遠隔授業を受けられるe-ラーニングを提供する企業は最近多い。受講生にとっては費用を抑えられる半面、三日坊主になる可能性が高い。スクールなどは、親身になってくれるスタッフがいるため、最後まで続けられる確率が高くなる。スクール選びの際は、スタッフの存在も重視している。

多種多様な分野にわたる習い事市場。福永氏は「チャンスが多い業界」と語る。

習い事というと女性の生徒が多いように思われるが、仕事帰りに習い事をする「おけいこ男子」の存在感も増していると福永氏は話す。20歳代後半から30歳代前半の男性が、料理や音楽など趣味の分野の習い事を始めているのだ。

そんな男性に向けた教室を開催すれば新たな需要を掘り起こせるだろう。習い事市場はターゲット次第でビジネスチャンスは多い。