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数字が語る この市場の深層
7兆円にもおよぶ介護ビジネス市場

更新日:2010年08月31日

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 2007年に「超高齢社会」(※1)を迎えた日本。確実に介護を必要とする人の数は増え続けている。それをにらんで大手企業が介護サービス事業に進出する例も目立つようになった。その未来図とは。
 

介護事業は安定成長型ビジネス

日本で初めて国民が介護保険に加入することが義務付けられた(対象は40歳以上)のが2000年のこと。65歳以上の人口が総人口の14〜21%を占める「高齢社会」という状態になったのは1994年なので、国の対応は後追いのようなイメージを受ける。

しかし「89年から国はゴールドプランと銘打ち、特別養護老人ホーム等の介護施設の緊急整備やホームヘルパーの養成等を行い、来るべき超高齢社会に向けた基盤整備を行っていた」と三菱総合研究所・人間・生活研究本部の吉池由美子氏は語る。

これらの基盤整備を背景に、2000年から介護保険制度が導入された。その後の要介護者の増加は一目瞭然だ(グラフ1)。

01年の時点では要支援(※2)を含めた要介護者数は200万人強。それが2008年には約400万人に増加している。2030年に700万人に達するという予測を見て、嘆くだけではむなしい。「安定成長型のビジネス」(吉池氏)といえる介護事業の一側面もある。

要介護者数の増加

大きくもうかるわけではない

国が「介護保険」をつくった00年以前は、高齢者福祉にかかる費用は公費(税金)で賄われ、高齢者は、行政から「措置」を受けて施設に入所した。

一方で、富裕層向けの有料老人ホームなども建設されたが、介護保険制度開始とともに、有料老人ホームの「介護部分」にも保険が適用されるようになった。「介護保険以前は、入居一時金で数千万円もするような施設が多くみられたが、00年以降は、比較的低価格で狭いタイプのホームが増えてきた」(吉池氏)という。

では逆に低所得者向けの介護施設はどういう状況だったのか。無認可・低所得者向けの老人ホームが火災を起こして、ニュースになったのは記憶に新しい。生活に困った老人たちを集めて、粗悪なサービスで利益を得る業者もいるのではないだろうか。
そんな問いに「無認可ホームの規模は正確に把握できていない。しかし老人ホームの事業自体が、大きくもうかるビジネスではない」と吉池氏は答える。粗悪なサービスが幅を利かすほど、日本の介護サービス市場は未熟ではないのだ。

通所系・訪問系サービスが増加

介護保険制度が発足した以降、明らかに急増したのは「居住系サービス」(グラフ2)。特別養護老人ホーム等の介護保険施設は、建設数に上限が設けられ、横ばいを続けている。

介護サービス施設・事務所数の推移

介護保険施設はもちろん、居住系サービスにも、入居希望者の応募が集まっている。「既に100人の定員を満たしているのに、100人が待機しているような介護保険施設も多い」(吉池氏)。

全国ベースでは、特別養護老人ホームの待機者が42万人。入所者の平均在所期間は4年。入れ替わりを待つと同時に、複数の施設に応募する要介護者も少なくない。「待機者のうち、病院や他施設に入院・入所中の高齢者も多く、どこまで施設数を増やせば間に合うのかは実際のところ不明。これらの現状を踏まえつつ、行政が施設整備数の上限を決めている」(吉池氏)とのことだ。

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