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数字が語る この市場の深層
教養重視から軽い読み物に移行 読者の幅を広げてヒットを狙う
月刊ベンチャー・リンク2009年1月号掲載

更新日:2009年07月28日

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本が売れないといわれて久しい出版業界で、新書は売れ筋の貴重な存在だ。さらに現在は、文章が硬い教養系から、エンターテインメント性のある教養読み物へと比重が移り、新読者層を獲得して活況を呈している。


ベストセラーはあるがマーケットは横ばい

書店の新書コーナーには出版社別のラインナップがそろう。話題書は平積みされ、書店員の手書きポップが添えられている。
書店の新書コーナーには出版社別のラインナップがそろう。話題書は平積みされ、書店員の手書きポップが添えられている。

東京都内の大型書店では、数々の単行本に交じって売れ筋の新書が平積みされている。新書コーナーでは、天井まで届く棚に出版社ごとの新書がずらりと並び、棚の下には各社の話題書がところ狭しと置かれる。客層は、じっくりと目次に目を通す年配の女性、平積みから4、5冊を手に取るビジネスマンなどさまざまだ。

新書のなかでも、時事問題や基礎教養をテーマとする教養新書からは、『バカの壁』『国家の品格』『女性の品格』などがヒットした。それだけに新書は、本が売れないといわれて久しい出版業界で売れ筋の貴重な存在だ。さらに現在は、文章が硬い教養系から、エンターテインメント性のある教養読み物へと比重が移り、新読者層を獲得して活況を呈している。

しかし、新書といえども決して楽観視できる状況ではない。「新書のマーケットはさほど伸びていない」と指摘するのは、出版業界の専門紙『新文化』の石橋毅史(たけふみ)編集長だ。

「出版科学研究所が集計したデータを見ると、2007年の新書新刊点数は3420点、推定発行部数は4016万冊と、両者とも前年比で横ばいです。しかも、『女性の品格』のようなミリオンセラー級の発行部数が含まれている数字であり、1冊単位で見ると大きな伸びはないといえます」

さらに、出版流通大手の日本出版販売が調査した書店販売動向によると、新書は書店の売り上げ全体の2.1%に過ぎない結果が出ている。石橋編集長は付け加える。
「これには、新書の価格の低さが影響しています。新書は平均776円。単行本に比べると半値です。ベストセラーになれば別ですが、マーケット全体に占める金額はそれほど大きくないということです。新書が活況に見えるのは、ひと握りの突出したベストセラーが話題となっているからでしょう」

書籍・新刊の発行形態別データ(2007年)

 

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