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数字が語る この市場の深層
ホテル・旅館

更新日:2010年01月27日

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景気低迷で高額なサービスへの需要が減退。高級ホテルでは海外からの出張ビジネスマンが減っている。ホテル・旅館業界は、昨秋来のリーマン・ショックを払しょくできるのか?
 


踏んだり蹴ったりの宿泊業界

2008年9月に発生したリーマン・ショック以前、東京では外資系の高級シティホテルが続々と開業した。07年9月に日比谷の一等地に開業したザ・ペニンシュラ東京、07年3月に六本木の大型施設に併設して開業したザ・リッツカールトン東京などだ。

その後の景気低迷を受け、これらの高級シティホテルの宿泊料や稼働率は、いったいどのようになっているのか?

この事情に詳しいツーリズム・マーケティング研究所(東京都中央区)の井門隆夫主任研究員は、「ホテルの宿泊価格は、08年の年初あたりからすでに変調をきたし始めていた。宿泊料も稼働率もそれ以来落ち続けている。ホテル業界が景気の落ち込みで低迷するのは、百貨店などで高額品が売れなくなるのと同様だ」と語る。
ビジネス需要を除けば、まず財布の紐が締められるのは、不要不急の高額品や旅行需要なだけに、これは致し方がない面もある。

リーマン・ショックより前から旅行業界に逆風となっていたのが原油高。歴史的な高値まで上昇した原油価格の影響で、燃料費が高騰。これが燃油サーチャージとして転嫁され、航空需要を一気に冷やした。

その後、金融危機が襲い、その傷が癒えぬ間に到来したのが、この春の新型インフルエンザの流行だ。旅行・観光業界にとっては、まさに踏んだり蹴ったりの状況だといえるだろう。

ホテルの宿泊価格が低下し続けているのは、これを時系列で追いかけているカカクコム(東京都文京区)のデータからも明らか(図表1)。

同社の神田寛yoyaQ.comプロジェクトマネージャーは「高級ホテルにとって一番の顧客である外国人がリーマン・ショックの影響で大きく減ったことで、軒並み稼働率が低下している。当社のサイトで予約された平均単価の統計を見ても、昨年の夏を過ぎたあたりから下落傾向が顕著になった」と語る。

ほぼ右肩下がりで下がり続け、今年の6月には平均単価で14000円を割った。「これまでの記録の中で、最低の宿泊単価を記録した」(神田氏)。

8月に価格が上昇したのは、夏の繁忙期のための上昇にすぎない。それでも昨年夏よりも、平均単価で2000〜3000円下回っている。

これは同社のサイトに掲載される宿泊料金が、値下げ価格を多数含むことも影響している。ちなみに同社のサイトではビジネスホテルの掲載が少なく、高級シティホテルや高級旅館中心に値崩れが起きていることを示す。

ただし、「ここへきて稼働率にはやや下げ止まり感がある。宿泊人数×宿泊単価で算出されるホテルの売上高は、この春がどん底だった可能性もある」(井門氏)。

表1

 

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