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数字が語る この市場の深層
原油市場
※月刊ベンチャー・リンクバックナンバー(2009年10月号)よりお届けいたします。

更新日:2010年01月06日

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 私たちの生活とは切っても切り離せない原油。その価格が昨年来、乱高下劇を演じている。頻繁に掛け替えられるガソリンスタンドの価格を示す看板は、どこで落ち着きを取り戻すのか。投機資金に翻弄される原油相場の実態を検証する。

思惑が先行した上昇相場

世間では自然エネルギーがブームだ。ただし、いかに太陽光発電が広まろうと、いかに風力発電が普及しようと、現状で原油の重要性がにわかに薄れるわけではない。われわれの生活は依然として、エネルギーの多くを原油に依存しているのが実情だ。

ところで足元の原油市場は、昨年の急落後に反転し、戻りを試す局面にある(グラフ1)。昨年の下げ相場も激しいが、今年の戻り局面も値幅が大きく、市場はまだ価格の落ち着きどころを探している状態だ。原油価格は果たして、再び高値を目指してこのまま上昇し続けるのだろうか?

原油価格推移

独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之上席エコノミストは「昨年半ばにWTI(ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引される先物原油)で147ドルを付けた上昇相場は、2004年から始まった。中国やインドを中心とした新興国の需要が爆発的に伸びて、供給が足りなくなるというシナリオが背景にあった。ただし、これは思惑先行の面も強かった」と解説する。中国の石油需要が年々増加しているのは事実だ(グラフ2)。ただしこれを伸び率に換算してみると、確かに04年は大幅に伸びたが、その後実は軒並み平年並みを下回る水準に低下してしまっていた(グラフ3)。「この間、必ずしも中国の石油需要が堅調であったとはいえない」(野神氏)。市場が中国の高成長を先取りし、思惑先行で価格を吊り上げた側面があるといえるだろう。

中国石油事情

中国石油事情増加率

一方でこの間、OPEC(石油輸出国機構)をはじめとする産油国は着実に生産量を増やしていたので、世界の石油供給量は着実に増加していた(グラフ4)
在庫はむしろ過剰気味で、需給面から判断する限り、まさにバブルが発生していたといえる。「石油が足りなくて原油価格が上がっていたという議論は、そもそも成立していなかった」(野神氏)。

世界石油供給

 

 

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