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もはや標準ではない「標準世帯」
データで見る日本の家族形態の変化
B STYLE16月号より(2005年10月15日発行)

更新日:2009年11月18日

この約30年で、日本の家族形態は大きく変わっている。
夫婦と子ども2人の「標準世帯」は減少し、「単独世帯」や「高齢者のみの世帯」が増加している。


■「単身世帯」が一番多い家族類型になるのも間近
 
表1 日本の世帯数の将来推計
表3 初婚率の推移
表4 世帯主65歳以上の世帯数の推移と世帯割合
表5 65歳以上の者がいる家族形態別の構成割合の推移
「日本の世帯数の将来推計」(表1)によると、1970年時点で全体の41.2%だった「夫婦と子ども世帯」は、2000年時点で31.9%に減少した。そのかわり、「単独世帯」「夫婦のみ世帯」「ひとり親と子世帯」が増加し、今後もその傾向が続くとみられている。「単独世帯」が「夫婦と子ども世帯」を超え、もっとも多い家族類型になるのももう間近に迫っている。
家計調査(総務省)では、夫婦と子ども2人の合計4人で構成される世帯のうち、有業者が世帯主1人だけの世帯を「標準世帯」と定義している。それに共働きや夫婦と子ども1人等も含めた「夫婦と子ども世帯」でも、70年で約4割だったのが、いまや3割を割り込もうとしている。明らかに「標準」ではなくなっているのだ。

表2は、1世帯あたりの平均人数だが、1960年(昭和35年)の4.14人から1970(昭和45)年には3.41人へと減少し、1990(平成2)年には3人を割った。それ以降は国勢調査のたびに最低値を示すという状況である。

■世帯規模縮小の原因は晩婚化・少子化・高齢化
 
世帯人員が減少している背景には、やはり晩婚化、未婚化による一人暮らしの増加や、子どもの数の減少がある。さらに、高齢化により、高齢者の単独世帯も増加している。
表3のように、20歳代前半で結婚する女性、20歳代後半で結婚する男性は、この30年で減る一方である。

かつて女性の結婚年齢は「クリスマスケーキ」に喩えられた。
24日のイブまでに売れず、25日を過ぎたら安売りをせねばならないケーキのように、24歳までに結婚という、周囲のプレッシャーや本人の希望があった。
しかし、高学歴化や働く女性の増加、世の中の風潮の変化で、20代前半で結婚する女性は激減し、85年過ぎには、20代後半で結婚する人の割合が上回っている。
男性の一人暮らしも、コンビニエンスストアの普及などで、生活面で不自由を感じなくて済むようになった。

必要に迫られて結婚するというよりも、その後の人生をよく考えて結婚するという傾向が強くなった結果、晩婚化、未婚化が進んでいると考えられる。
また、子どもをもつことについて、否定的に考えている人は少ないが、必要性については、若い世代を中心に、必ずしも必要でないと考える人が増えている。育児や教育に対する負担も、少子化の一因と考えられる。

高齢世帯の増加に関しては、表4のように、世帯主65歳以上の世帯数は、90年の658万世帯から2000年の1114万世帯となっているが、さらに2020年には1718万世帯になると予測されている。また、表5のように、65歳以上の者がいる家族形態別の構成割合では、1980年から2000年の20年間で、子と同居している人の割合は69%から49.1%へと大幅に低下している。一方で、「一人暮らし」は8.5%から14.1%、「夫婦のみ」は19.6%から33.1%に上昇している。

■「標準世帯」の非標準化が意味すること
 
戦後の日本における住宅やその付帯設備である電力・給湯設備、そして冷蔵庫の大きさや車のサイズなど、いろいろなものが標準的な家族形態を基準にして企画され、作られてきた。また、年金や保険、税などの社会制度における算定やサラリーマンの賃金交渉などで基準とされてきたのも「標準世帯」である。

けれども、これまで見てきたように、従来の「標準」は標準ではなくなってきている。
この変化に合わせて、商品やサービスも変えていかざるを得ない。
むしろ、チャンスと受けとめ、新しい家族形態とライフスタ
 
イルにマッチしたビジネスを生み出せるかどうかが今後の成功の鍵だ。
考えるヒントのひとつとして、ボリュームゾーンの変化があげられる。

■ボリュームゾーン「団塊の世代」のライフスタイル
 
日本の人口構成の一番のボリュームゾーンは、周知のとおり「団塊の世代」である。これまで、ボリュームゾーンである彼らのライフスタイルが変わることで新しい産業が生み出されてきた。

団塊の世代が、社会で活躍する頃にファーストフードが伸び、レジャーではボウリングがブームとなった。また、団塊の世代が結婚し郊外に家をもつようになったことで、「ファミリーレストラン」が生まれ、全国に波及していった。
団塊世代は、現在50歳代後半に差しかかってきており、今後ますます高齢化が進行していくこととなる。
実際29〜49歳の働き盛りの人口より、50歳代以上の人口のほうが多くなっている。
この団塊の世代、そして「団塊ジュニア」の動向は見逃せない。
彼らがどういうライフスタイルを送り、どのような商品を選ぶかによって、伸びる業態、売れる商品も変わってくるだろう。

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。