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団塊世代 BUSINESS STYLE Report
エルダー層のニーズと今後伸びる分野
B STYLE10月号より(2004年10月20日発行)

更新日:2004年10月20日

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高齢化社会において、一躍商品の主役に躍り出たエルダー層(50歳以上の人たち)。
彼らのニーズはどこにあるのか? 今後この市場で伸びる分野とは?
調査データや事例から、エルダー層、とくにその中心となる団塊の世代の
ニーズや攻略法を探っていきたい。


 
◆エルダー層のニーズ〜仕事でもプライベートでも積極的にITを活用〜
 
情報通信総合研究所の今年度の調査、「ブロードバンド&インターネット・ショッピング利用実態調査」によれば、エルダー層はITの活用に積極的だ(表1-1〜1-2)。
 
たとえば、ネットショッピングで使う年間購入金額は、50歳代以上で平均15.3万円なのに対し、全年代平均では12.4万円。また、購入対象となる26品目の商品分野のうち、「株・証券」「コンピュータ関連機器」「パッケージソフト」「日常の食材」等10品目においては、エルダー層の購入が頻度・金額とももっとも高い。
 
OA化がうたわれた70年代後半には、「FAXも使えない上司」といった笑い話もあった。が、現代のエルダー層を機械音痴と呼ぶことはできない。
 
男性も女性も、仕事相手、友人、子どもや孫とのやりとりに、積極的にITツールを活用している。使い慣れてみればなかなか快適なコミュニケーション(とくに写真は封書より気軽に送れる)が実現し、おまけに手軽な情報収集やショッピングもできるというわけだ。
 
IT関連ビジネス・サービスはどんどん細分化していっているが、次のような分野はまだまだこれからであり、有望だといえるだろう。
 
●エルダー層をターゲットとした通信販売(1)など各種サービス
●エルダー層を対象とするコミュニティサイト
●よりよいコミュニケーション環境を実現するソフト・周辺機器
 
表1-1 年間購入金額/年代別
出所:株式会社情報通信総合研究所「MIN第44回アンケート ブロードバンド&インターネット・ショッピング利用実態調査VII」(2004年5月・有効回答数3878名)
出所:株式会社情報通信総合研究所
「MIN第44回アンケート ブロードバンド&インターネット・ショッピング利用実態調査VII」(2004年5月・有効回答数3878名)


◆エルダー層のニーズ〜「友人「健脳」にポイント―エルダー層の余暇活動〜

コミュニケーション好きのエルダー層は、また、余暇の活用や、趣味を通じた友人づくりにも積極的だ。

株式会社ハー・ストーリー(マーケティング会社/本社:広島市/日野佳恵子社長)が自社運営モニター制度「ご意見ネット」会員を対象に行なったアンケート調査(表2-1〜2-3)によれば、50歳代主婦の半数以上が何らかの稽古事をしている。その内容、および今後やってみたいものとしてあげられたジャンルをみると、一部「絵手紙」のようなその年代独特の流行もあるが、基本的には20〜40歳代の女性たちと変わらない嗜好をもっていることがわかる。
 
また、どこの教室・スクールを選ぶか、という点では、50歳代以上の女性の場合、「友人間でのクチコミ」による人が45.5%で、友人づきあいの延長線上にお稽古事が位置づけられているようだ。
 
50歳代ともなれば、女性は子育てからも完全に手が離れる。男性も、第二の人生を本格的に考えはじめる頃だ。この時機をとらえ、生涯学習や趣味の充実、スポーツや旅行といった、余暇活用の提案を行なう雑誌が続々創刊されており、これに関連して新しいサービスも急増している。
 
とはいえ、「○○歳だから××(ゲートボール、盆栽等)」と、かつての高齢者層のような安易な図式を成立させないのが、現在のエルダー層。なかでも団塊の
世代は、若い頃からさまざまなレジャー、スポーツ、趣味に親しんだ世代であり、若い世代同様、多種多様な趣味を、それぞれの個性に応じて楽しんでいる。
 
それゆえ、何かひとつが爆発的なブームになることは考えがたいが、それでも共通点といえるものを探してみると、
 
●ダンスや登山、スキューバダイビングといった、友人たちと一緒に楽しめる趣味
●アンチエイジング(抗加齢・抗老化)、とくに脳の健康にも効果のある余暇活用法
 
が注目されているようだ。
 
後者については、「英会話」「楽器」「パソコン」習得などが挙げられるだろう。また、とくに男性の場合は、実益を兼ね、「中小企業診断士」「行政書士」「司法試験」等々、資格取得にチャレンジするパターンもある。
 
最近は、そのものずばりの“健脳本”も各種登場。その代表的存在である、「川島隆太教授の脳を鍛える大人の計算ドリル」(くもん出版)をはじめ、現在、「脳」に関する書籍は、和書だけでも3636冊にのぼるという(インターネット書店「アマゾン」での検索結果/9月5日現在)。川島隆太氏は、東北大学未来科学技術共同研究センター教授で、医学博士。脳のどの部分にどんな機能があるかを調べる「ブレインイメージング研究」の日本における第一人者で、高齢者の脳機能の維持・改善を目指した産官学共同プロジェクトに取り組んでいる。
 
アルツハイマーを発症させる遺伝子が発見されるなど、ここ10年ほどで飛躍的に進展した脳科学の成果を背景に、「年齢を経ても脳は成長できる」「計算・音読・音楽演奏等々、脳の活性化につながる活動で脳を発達させることができる」と説く。
 
川島氏の著書「5分間活脳法誰でもできる頭の鍛え方」(大和書房)によれば、1日5分の音読、単純計算で効果があるとのこと。とはいえ、同じパターンの繰り返しでは脳が慣れてしまうため、同氏のドリルでは常に新しい刺激を与えられるような設問となっているそうだ。
 
これら“健脳本”的なものは、「いつまでも若くありたい」という気持ちが強く、好奇心旺盛なエルダー層に、今後も支持され続けるだろう。
 
表2-1 あなたは現在いくつの習い事をしていますか?
表2-2 今やっている習い事 年代別上位5件
 表2-3 今後やってみたい習い事 年代別上位5件
出所:株式会社ハー・ストーリー「主婦の稽古事について」(2004年実施・有効回答数1998名)
http://www.herstory.co.jp/


 

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