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団塊世代を狙え 住宅編
ベンチャー・リンク2007年9月号

更新日:2009年11月06日

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定年後の暮らしを見据え注文住宅の需要を刺激
2006年度の新設住宅着工戸数は、持ち家、貸家、分譲住宅を合わせて128万5246戸と9年ぶりに高水準となった(国土交通省発表)。ただし、前年度比4%増と伸びが大きいマンションや団塊ジュニアのニーズが堅調な分譲戸建てに比べ、注文住宅の伸びは同1.5%増にとどまっている。


民間調査会社の矢野経済研究所で生活産業調査本部に所属する菅原章氏は、新設着工戸数の伸びには08年で終わる住宅ローン減税や、長期金利が低いうちに購入しようという駆け込み需要が影響していると見る。一方、注文戸建ては低空飛行が続くが、各社とも団塊世代の建て替え需要をにらんだ商品を発表し、巻き返しを狙っている。

「室内の段差がないバリアフリーなど高齢者住宅で販売実績を持つメーカーが、最近は団塊世代に照準を定めています。高気密、高断熱、耐震性といった住宅性能に加え、独自の特徴を出すために様々な工夫を凝らしているようです」(菅原氏)定年後も社会奉仕活動や趣味などを楽しみ、行動的な生活を送るアクティブシニア.と呼ばれるように、団塊世代は活動的かつ個性的だ。

各社の商品パンフレットにも「趣味を楽しむ部屋」「小屋裏(屋根裏)の隠れ家」といったキーワードが躍る。あらゆる人にとって使いやすいユニバーサルデザインを基本にしながらも、従来の高齢者住宅とは一線を画した内容だ。需要の高まりが見込まれるだけに、ライフスタイルに合った住まいを提案しようと、各社がしのぎを削っている

安全と安心を確保したうえで生活を楽しむ住まいを提案

鉄骨系戸建て住宅を主力としつつ、木造住宅「シャーウッド」シリーズでも知られる積水ハウスは、07年4月に「ビーエコルド(BeECORD)」を発表した。価格は1坪当たり47万円から。耐震構造を進化させたのが大きな特徴で、地震のエネルギーを吸収する独自システム「シーカス」を採用している。耐震構造の要となっていた耐力壁の一部を、揺れを吸収する構造を持つ「シーカスフレーム」に置き換えることで、今まで以上に建物の揺れを制御できるというものだ。

外壁には雨や地震に強い「エコルデック」を使用、さらに光触媒塗装「タフクリア」で汚れをつきにくくし、カビも防げる。同社広報部の原一郎部長は開発コンセプトについてこう解説する。
「家に安心、安全が求められるのは当たり前のことです。独自の耐震構造などを標準装備して安全性と耐久性をあらかじめ確保し、どう住まうかという部分にこだわりを持っていただきたいと考えました」

「ビーエコルド」シリーズのなかで、特に団塊世代向けに提案しているのが『趣のある住まい』。セカンドライフを楽しむことをテーマとしている。
デッキとつながる段差のない床、開閉が楽な取っ手のついたサッシなどバリアフリー仕様を基本としつつ、趣味に打ち込む、仕事に専念する、子供やペットと楽しく暮らすなど、住む人のライフスタイルに合った住まいを実現する。

売上高1兆5961億8300万円(07年1月期)を誇る同社では、07年の注文住宅請負戸数は1万5200戸。そのうち20%以上が55歳以上の年代だ。「今までの経験とノウハウを生かし、団塊世代に住まい方を提案していきたい」(原部長) と意気込む。


新設住宅着工戸数の推移


人気の平屋+小屋裏でゆとりと遊び心を融合

団塊世代の住まいを提案するうえで、安心、安全と並んでポイントになっているのが「ゆとり」だ。代表的なのが、ゆったりとした造りの平屋。

積水化学工業の平屋「ドマーニ・コンファティック1.5スタイル」の小屋裏。団塊世代の多様なライフスタイルに合わせた使い方が可能だ。
積水化学工業の平屋「ドマーニ・コンファティック1.5スタイル」の小屋裏。団塊世代の多様なライフスタイルに合わせた使い方が可能だ。
年間の注文住宅着工戸数1万5000戸、売上高4304億円の積水化学工業住宅カンパニー(セキスイハイム)は、「ドマーニ・コンファティック1・5スタイル」を発表した。1坪当たりの価格は60万円から。

「1・5」は1階プラス小屋裏を意味する。平屋の利便性に加えて、子世帯の宿泊や趣味の部屋として利用できる小屋裏を備えている。昨年、子会社の住環境研究所を通して、55歳から65歳を対象に行なったアンケートの結果を反映させた商品だ。リタイア後の住まいは「階段の上り下りが必要ない平屋住宅が理想」との回答が上位を占めていたという。

積水化学工業の木造平屋建て住宅「グランツーユー・スイートワンストーリー」。温度差の小さい室内など高齢者にもやさしい構造だ。
積水化学工業の木造平屋建て住宅「グランツーユー・スイートワンストーリー」。温度差の小さい室内など高齢者にもやさしい構造だ。
同社のコーポレートコミュニケーション部広報グループの中村慎一郎氏がこの住宅の特性を説明する。
「当社独自の床下暖房システム『ウォームエアリー』の導入で、冬場でも部屋ごとの温暖差が小さく、暖かい住まいを実現しています。これにより高齢者に多い、急激な温度の変化で体がダメージを受けるヒートショック.を防げます。また家の解体から整地、引き渡しまでに要する期間は2カ月から3カ月と短いため、仮住まいの負担が少なくて済みます」

同社では鉄骨系のドマーニ・コンファティックのほか、木造平屋で2×6材を使用した「グランツーユー・スイートワンストーリー」も販売。気密・断熱性に優れ、オール電化、太陽光発電システムなどとの組み合わせで光熱費ゼロ住宅も可能だ。

 

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