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市場を読み解く 学習塾業界を取り巻く環境は大きく変化
学習塾・市場動向編
ベンチャー・リンク2008年3月号

更新日:2008年04月24日

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この連載は、多くのヒット業態を発掘し、日本全国に拡大してきた(株)ベンチャー・リンクの研究開発部門「リンク総研」が、豊富な消費者アンケート調査をもとに、消費者視点で市場のトレンドを読み解いていきます。今回は学習塾に焦点を当て、その市場動向について解説します。
(リンク総研主任研究員・磯崎恭子)


 

2030年には14歳以下が全人口の1割未満に減少

近年、少子化の進展やゆとり教育の推進などに代表されるように、学習塾業界を取り巻く環境は大きく変化している。塾業界がターゲットとする子供の数は、1980年頃をピークに減少傾向を続けている。総務省の推計によると、2007年10月1日時点の日本の子供(14歳以下)の数は、前年より7万人少ない1740万人で、総人口に占める子供の割合は13.6%と過去最低を更新した。

今後の子供の数についても、状況はさらに厳しく、02年1月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来推計人口によると、30年の子供の数は総人口の11.3%まで低下する見込みとしていたが、06年12月に新たに推計された結果では、30年に9.7%まで低下と大幅に下方修正された。

近年の非婚化や晩婚化などを考慮すると、この先、子供の数が急激に増えることは考えにくく、教育市場の主な対象となる子供の数は、今後もさらに減少していくと予想される。

子供の数および総人口に占める割合の推移


96年に1兆円を超えるも縮小傾向にある市場規模

民間市場調査会社の矢野経済研究所のまとめによると、学習塾・予備校の市場は96年には1兆円を超える規模となっていたが、少子化という大きな流れのなかで、02年以降、縮小傾向が続いている。

02年度から実施された「新学習指導要領」が学力の低下を招くのではないかという懸念から、子供を学習塾に通わせる家庭が増えたこと(通塾率の増加)や、以前から塾に通っていた家庭も塾に支払う費用を増やしたこと(1人当たりの教育費の増加)、さらには公教育への不安の高まりから有名私立中学校の受験熱が増していることなど、プラス要因はあるものの、少子化による子供の数の減少という大きな流れを打ち消すまでの力とはなっていない。

01年、02年と市場が上向いたにもかかわらず、再び減少傾向となってしまっているのは、マイナス要因がプラス要因よりも大きくなっていることに起因している。 今後、子供の人口はますます減っていく見込みであり、「ゆとり教育」についても方針変更により学校での指導が充実していくことが見込まれるなど、塾を取り巻く市場環境は厳しいといわざるを得ない。これまでプラス要因となっていた通塾率の伸びも、すでに公立中学校では低下し始めており、少子化と相まって中学生を中心に塾に通う生徒数は減少し始めている。

学習塾・予備校市場規模推移

 

塾生徒数推移

 

 

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