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数字が語る この市場の深層
アート市場

更新日:2009年10月20日

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 この5年間ほど、右肩上がりの相場を謳歌したアート市場も、昨年9月のリーマン・ショックと無縁ではいられなかった。ただし、良い作品はそれほど下がらず、価格には二極化の兆候も見られるようだ。

リーマン・ショックで半値に

  絵画を自宅に飾るために、気軽に購入する人が増えている。ネット画廊を運営するギャラリータグボート(東京都港区)では、現代作家を中心に約5000点の作品を扱っている。同社の徳光健治代表は「アートを購入されるお客さまの数は、数年前から増え続けている。年率10%程度の右肩上がり市場だ」と語る。

これは家族が家で過ごす時間が増えていることとも関係していると言われる(グラフ1)。アートも一つのインテリアであり、部屋の雰囲気を高める小道具として定着した証しだろう。

グラフ1

「最近になって急に起きた現象ではないが、日本人の暮らしが西洋化するのに合わせて、インテリアにこだわる人は増え続けている。現代アートもインテリアの一つとしてとらえられている」(徳光氏)

これに合わせてここ数年は現代アートの価格もうなぎ上り。商品の性格上、公式統計があるわけではないが、「2004年から08年の9月まで価格は右肩上がりで上昇し、この間にほぼ4倍になった。ただし、その後のリーマン・ショック以降は、その水準から半額まで低下した」(徳光氏)という。

4年間で4倍というのは、まさに“バブル”と呼ぶべき状況。カネ余りで資金が世界の株式市場から原油市場までを席巻していたころだけに、投機マネーが一獲千金を狙って流入していたことは想像に難くない。

素人が純粋に自宅で楽しむためにインテリアとして絵を買うというような牧歌的な世界からは、次第にかけ離れ始めていたと言えるだろう。

全面的なバブル崩壊ではない

それでも単純に計算すれば、04年比ではまだ2倍の水準にとどまっていることになる。しかしもちろん、一言にアートといっても作品によって千差万別。まだ価格が上昇し続けているものから3分の1に低下したものまで、玉石混交なのが実態だ。

ところで現代アートの日での市場規模は、200億〜300億円と言われている。一般的には新しい手法で描かれた1960年以降の作品が現代アートとして定義される。ただし現代アートの日本市場のシェアはわずか3%にも満たないとされており、まだまだ過渡期の市場だ。

一方「伝統的な日本画や、油絵で描写した洋画、水彩画、掛け軸などの古美術はまた別の市場。この実態は非常に見えにくく、市場規模は推測で3000億〜4000億円とも言われている」(徳光氏)。

日本ではまだまだこちらの伝統的な作品群が巨大市場を形成しているのが実態だ。
アート市場は景気との関係で言えば、明らかに「正」の相関をもつ。ただしアート市場は流動性が著しく低いので、価格の変化は通常の金融商品などと比べると遅いと言える。

 

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