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NYで初のミード(蜂蜜酒)専門のバー
エンライトンメント・ワインズ(Enlightenment Wines)

更新日:2017年07月13日

新しいものに敏感なニューヨーカーの間で、ミード(ハニーワイン)が注目されている。長年金融関係の仕事に携わって来たアンソニー・ロック氏は、ミードの可能性に注目。銀行を退職後、経験を生かして、ミードビジネスに乗り出した。
 


 
野生のタンポポのハチミツで作られたミード、35ドル。アルコール度数は14.5%。
野生のタンポポのハチミツで作られたミード、35ドル。アルコール度数は14.5%。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

エンライトンメント・ワインズ共同創設者・財務担当責任者 アンソニー・ロック氏
エンライトンメント・ワインズ共同創設者・財務担当責任者 アンソニー・ロック氏

クリエイティブなビジネスで経験を生かしたい

──銀行で15年働いたのち、「エンライトンメント・ワインズ」を始められたそうですね。
長年銀行で働いて来たので、次はもっとクリエイティブな仕事がしたいと思いました。私が医者だったら医者としてボランティアをしたりするところでしょうが、私の専門はビジネスなので、スモールビジネスにチャレンジしたのです。目的の一つはビジネス実績のポートフォリオを作ること。「エンライトンメント・ワインズ」以外にも、ケニアとルワンダの会社に投資しています。

──このビジネスを始めた経緯についてお聞かせください。
2012年に銀行を退職して、さて、これから何をしようかと思い、コロンビアのMBAで学ぶことにしたんです。そこで、現在のパートナーである2人の若者と出会いました。一人はミュージシャンでおばあさんからタンポポのハチミツを原料としたミード(ハニーワイン)の作り方を教わって、2009年から個人的にハニーワインの少量生産を行なっていました。

もう一人もアーティストでミクソロジスト。彼もハニーワインの可能性を強く感じていました。そこで、彼らと一緒にミードのビジネスに本格的に乗り出すことになりました。ビジネスプランやファイナンシャルプランを作成したり、投資家を募ったり、投資家に対してプレゼンを行ったりすることなどが私の役割です。現在このビジネスの出資者は15名。企業ではなく個人の投資家で、多くはアート系のバックグラウンドを持つ人たちです。

ミードを提供するカクテル・バー、「エンライトンメント・ワインズ」は準備に2年を費やし、ニューヨーク市初のミードバーとして、去年オープンしました。このバーは、エンライトンメント(啓蒙)とある通り、ミードを多くの人に知ってもらうことを目的としています。

ミードの研究・開発に取り組む共同創立者のラファエル・リヨン氏
ミードの研究・開発に取り組む共同創立者のラファエル・リヨン氏

昔ながらの製法でミードを生産

──では、ミードについてご説明ください。
ミードは古くからあるハチミツを原料とする醸造酒で、最近はニューヨークでも注目され始めています。基本的な原料はタンポポの蜂蜜とイーストと水。近隣で手に入るタンポポを自分たちで摘んで来て、昔ながらの製法で、添加物は一切使わずに、木製やステンレス製、ガラス製のバレルの中で発酵させます。ワイナリーでワインを製造するのと同じプロセスです。

──ミードの魅力は何ですか。
ハニーワインというと甘そうですが、辛口でアルコール度数は平均で11.5〜12%。特にタンポポワインはアルコール度数が14.5%と高いです。さらに、私たちはそこにタンポポの花や茎も加えることによって、ハーブのフレーバーをつけ、ストレートで飲むだけでなく、カクテルの原料としても使えるハニーワインに仕上げました。

タンポポハニーワインに、シロップ、ハチミツ、スパークリングウォーター、レモンを加えると、とてもおいしいサマーカクテルになります。こうするとアルコール分も低く抑えられるので、夏、屋外で楽しむのにお薦めです。

──他にはどのようなワインを作っていますか。
アップルミードもあります。これは、アップルサイダーと野生の花からとれるハチミツを原料とし、ビンではなくドラフトで提供しています。また、アルコール度数が1%と低く、ブラック・ライブレッドを原料とした「ライ・カバス」も製造しています。バーでは常時4、5種類を提供。オリジナルレシピは10種類以上あります。

──利益は出ていますか。
今はまだ月によっては利益が出たり出なかったりですが、全体としては収支トントンといったところです。

3ステージで事業を展開


──では、今後の課題についてお聞かせください。
3段階のステージを考えています。
  1) 個人客に直接ミードを販売。
  2) ニューヨークのワインストアやレストラン、75〜100箇所を目標に販売。
  3) 流通業者を使って、新しいものを求める人たちが多い、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴなど、12〜15都市での販売。

それぞれのステージにかかるコストや収入などを分析した結果、流通業者を使わずにビジネスを行った方が利益が出ることがわかっています。また、直接顧客に商品を販売する方が面白いビジネスモデルになると思います。

すでにレストランなどからの引き合いも来ているのですが、現在はお断りしている状態です。少ない元手で始めたビジネスで、まだ生産量が少ないので、まず、このバーで販売する分を確保しなければなりません。予定より少し遅れていますが、すぐに取り戻しますよ。

(左)カウンターの後ろのガラス越しに、ミーダリー(ミードの醸造所)が見えるようになっている (右)ミードが入ったバレルが並ぶ
(左)カウンターの後ろのガラス越しに、ミーダリー(ミードの醸造所)が見えるようになっている (右)ミードが入ったバレルが並ぶ

プロフィール&会社概要

エンライトンメント・ワインズ共同創設者・財務担当責任者
アンソニー・ロック(Anthony Rock)

大学では歴史を専攻。NPOでの仕事を経て、コロンビアビジネススクールで学びながら、メイヤー・オブ・ニューヨークに勤務。三菱銀行など銀行に15年間務めて退職。趣味は自転車ツアーで、現在は自転車で世界中を旅行しながら、「エンライトンメント・ワインズ」の経営に関わっている。

名称:エンライトンメント・ワインズ(Enlightenment Wines)
開業:2016年
所在地:93 Scott Ave, Brooklyn 11237, USA
URL: enlightenmentwines.com