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BentOnがウォールストリートのランチ激戦区に進出
BentOn(べんと・おん) 社長/古川徹

更新日:2013年10月09日

日本食人気に比例してニューヨークではBENTOがじわじわ人気を集めているなか、ヘルシーさと手頃な価格帯でアメリカ人客を増やしてきたBentOn Cafeが、この8月、ランチ激戦区ウォールストリートにオープンする。
 


 
BentOn社長の古川徹氏
BentOn社長の古川徹氏
 
 
マンハッタンのオフィス街にオープンした、フードセレクトショップ、 BentOnカフェ
昨年11月にマンハッタンのオフィス街にオープンした、フードセレクトショップ、BentOn Cafe
 
 
店内には日本人に馴染みのお弁当がずらりと並ぶ
店内には日本人に馴染みのお弁当がずらりと並ぶが、お客の8割はアメリカ人。売れ筋は日替わり弁当。おにぎりも今やアメリカ人にも大人気
 
 
BentOnカフェの店内
BentOn Cafeの店内
 
 
 
 

26歳で弁当ケータリング会社の社長に

──まず、ニューヨークにいらした経緯からお聞かせください。
大学時代にオレゴン州に1年語学留学して、日本に戻ってから4年間、家業の給食センターを手伝っていました。でも、家業は兄が継ぐことになっていたので、自分の居場所がない。そんなとき、テレビでニューヨークの弁当のケータリング会社、フジケータリングを知ったんです。アメリカに戻りたいという気持ちもあったし、これだったら、自分の経験を生かせるのではないかと思い、2006年にニューヨークにやってきました。

──ところが、来米早々、26歳で社長に。
フジケータリングに採用してもらい、2週間くらい働いたとき、オーナーから会社を売りたいのでやってみないか、といわれたんです。日本ではビジネスを買うという発想はあまりないので考えても見なかったのですが、やってみることにしました。

大変だったのは社員とのコミュニケーション。急に日本から来て26歳で社長。従いたくないですよ。向こうの立場に立ってみれば当たり前。時間と自分がやったことで納得してもらうしかないと思いました。父の「社長という仕事にも慣れる」という言葉で、だいぶらくになりました。

──フジケータリングからBentOn(べんと・おん)に変わりました。
フジケータリングのビジネスを継いで2、3年は、日系企業にも勢いがあったので、弁当ビジネスは順調に伸びたんですが、リーマンショックのあと、日系企業がどんどん減ったんです。顧客のほとんどが日系企業でしたから、このままじゃまずいと思いました。どうやったらアメリカ人のお客さんに弁当を食べてもらえるのか。2009年ごろは、デルタ航空の機内食やアメリカ人の結婚式のお弁当など、あまり利益にならないようなことでもいろいろやってみました。

2011年に社名をBentOnに変え、現在は弁当のケータリングとBentOn Cafeがビジネスの柱となっています。店をやってみて分かったことは、デリバリーよりお店に商品を並べておく方がよく売れるということ。ニューヨークではレストランに電話すれば10分くらいで暖かいランチが届きます。前日や当日の10時頃までに、メニューを見て予約して弁当をデリバリーしてもらうという習慣がない。ところが、お店に並べておけば、バンバン買って行くんです。弁当とデリバリーを切り離した方がいいと。

──古川さんにとって弁当の定義は何ですか。ランチボックスとの違いは?
この7年間、弁当はランチボックスではないと言い続けてきました。弁当の定義は、日本から来たもので、いろんなものが寄せ集まってひとつの箱に入っていること。全く違う味、違うかたちの総菜を入れられるのが弁当。また、見ておいしそうであることも重要。それが日本のよさだと伝えて行きたいです。

学校給食にもヘルシーな弁当を届けたい

──BentOn Cafeのコンセプトは、食のセレクトショップだそうですが。
BentOnは弁当を作ってアメリカの企業に広めて行くのがミッション。BentOn Cafeはいろいろな食べ物をセレクトして販売する、フードのセレクトショップ。こういうものがないのでやってみたいです。この店がひとつの弁当箱になるように、ひとつの店の中に、BentOnの商品だけでなくいろんなブランドを入れる。ニューヨークは家賃も高いし、なかなか進出できないので、おいしくてBentOn Cafeの価格帯にも合うようなブランドを発掘して販売して行こうと考えています。

──BentOn Cafeの客層や売れ筋商品は?
2012年11月のオープン当初から日本人のお客様はたくさん来てくれました。アメリカ人のお客様は最初の2カ月くらいは物珍しさで来ていましたが、今は本当に毎日来てくれます。アメリカ人客がどんどん増えて、日本人とアメリカ人客の割合は今では2:8くらいです。

どんぶりものなども入れるとランチは12〜13種類ありますが、毎日メニューが変わるランチはこのエリアにはないので、日替わり弁当(毎日3種類)がほかの商品の4倍くらいよく売れます。見ていると、日本人とアメリカ人で弁当の好みはほとんど変わらないですね。客単価は7ドルの後半くらい。お弁当となにか1品という感じで買って行かれる方が多いです。

──「テーブル・フォー・ツー」というのは?
食の不均等の解消を目指す「テーブル・フォー・ツー(TFT)」との提携による社会貢献を取り入れています。アメリカの大きな問題である肥満を解消すべくヘルシーなお弁当(カロリーは700キロカロリー以下に制限)を提供し、これを買ってもらうと代金のうちの25セントが、アフリカなどの食糧不足に苦しむ子供達に送られます。社会貢献はアメリカではメジャーなこと。それを弁当の付加価値として取り入れ、社会貢献に関心のあるアメリカ人をターゲットにと考えました。そして、弁当は知らなかったけれど、食べてみておいしいから、次もまた食べるようになってほしいと。

ただ、まだTFTの認知度が低くて、社会貢献が目的でこの弁当を買っている人はほとんどいません。認知度を高めるためにどうするか、TFTと話し合っているところです。TFTの弁当は日替わりで2種類、価格は$8.75。一昨年と昨年は、当社がTFTで金額的に最もアフリカに貢献した企業となりました。

──では、今後の目標をお聞かせください。
8月にウォールストリートにBentOn Cafe2号店がオープンする予定です。ここはランチの激戦区で、しかも和食はあまりなく、日本人のお客様もほとんどいないところ。店舗スペースが大きいので、弁当を売るだけでなく、TFTのコーナーをも充実させたり、目の前で好きなお惣菜をきれいに詰めてあげる弁当バーのようなコーナーも作ろうかと思っています。

年内にもう1店舗出店の予定です。将来的にはニューヨークをBentOn Cafeだらけにしたいですね。また、アメリカは学校給食が肥満の原因と言われているほど、よくないんです。学校給食にもヘルシーな弁当ビジネスを拡大して行きたいですね。

プロフィール&会社概要

BentOn(べんと・おん) 社長/古川徹
成城大学在学中、1年間オレゴン州に語学留学。帰国後、実家の「あづま給食センター」を4年間手伝う。テレビでニューヨークの弁当ケータリング会社を知りニューヨークへ。2006年にフジケータリングを買い取り、社長に就任。2011年4月に社名を「BentOn」に変更。同年11月ミッドタウンのオフィス街に「BentOn Cafe」をオープン。2013年8月にBentOn Cafe2号店をウォールストリートにオープン予定。

社名/BentOn(べんと・おん)
BentOn Cafe所在地/156E 45th Street, New York, NY 10017
TEL/212-219-9955
FAX/212-941-1171
URL/http://www.Bento-On.com