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お尻を洗える水洗便器とWiFiの普及に見る日中の差
莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2014年12月04日

この頃、どうしたわけか、出張期間が1週間を超えると日本に戻りたくなるという筆者。その理由には2つあるという……。
 


 
莫邦富氏
 
 
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お尻の進化に遅れた中国?

日中間を飛び回ると、面白いことが発見できる。中国のホテルには、なかなかお尻を洗える水洗便器が登場しない。お尻を洗える水洗便器があるホテルと出合うと、その感動で私はいつもこのホテルと日本との関係を確認するのだ。そうすると、日本人がよく泊るホテルとか、日本の資本がある程度、入っているところとか、あるいはホテルの経営者が日本のことが好きだとか、の理由が発見できる。

この頃、どうしたわけか、出張期間が1週間を超えると日本に戻りたくなる。理由はいたって簡単だ。一つはネットのスピードの遅さに神経がかなり擦り減らされるからだ。もう一つは、お尻が日本の水洗便所を恋しがり始めるからだ。

噂では、自衛隊が野外訓練を行うとき、大の処理に困っている隊員も出ているというが、非常に納得している。お尻が新しい科学技術の進歩に追いついていって、勝手に進化したからだ。その辺、中国の解放軍の戦士のお尻はまだまだ立ち遅れているかもしれない。

しかし、中国には非常に感心するところもある。お尻を洗える水洗便器はあまり普及していないが、WiFiの普及はすごい。大都市はもちろんのこと、地方のホテルでもWiFiが自由に使える。ただし、スピードの遅さは我慢する必要がある。特にホテルのロビーでは、大抵、WiFiが自由に使えるようになっている。それは海外からの訪問客にとっては救いの星と思うほどありがたいサービスだ。

ことWiFiなどの今日的な通信インフラになると、日本は案外、遅れている。次に例を挙げてみよう。

コンビニに負けた高級ホテルのWiFiサービス

この間、溜池山王にあるANAインターコンチネンタルホテル東京で夕食をしながらの小さな会合をした。ロビーでWiFiが使えるのか、と確かめたら、フロアーにいるホテル従業員はご宿泊のお客さんですか、と尋ねた。いいえと答えると同時に、レストランを利用している者だと説明してみた。それでは使えない、と言われた。

ホテルは営利企業だから、稼げるところではしっかりと稼ぎたいという気持ちも動機も理解できる。しかし、その日の私たちの食事代が遙かに宿泊料金を上回っても、私たちはネット利用サービスにおいては、ホテルの利用者としては認められないのだ。ANAインターコンチネンタルホテル東京の経営意識の古さが露呈している。

日本の携帯電話を使っているので、3Gを利用してインターネットへの接続はできた。しかし、もし、私たちが海外からの訪問客ならば、そうは行かない。経営主体がインターコンチネンタルになっているとはいえ、国際便を世界中に飛ばしている全日空の社名を掲げている以上、こんなインフラでは納得できない。

実は、このANAインターコンチネンタルホテル東京を一歩出て、周辺にあるコンビニに行けば、みな、フリーのWiFiサービスを提供している。そこで一杯100円のコーヒーを飲みながら、メールをチェックしたり遠い海外へ無料電話をかけたりすることができる。もちろん、コーヒーを買わなくても、そのWiFiサービスを利用できる。

ANAインターコンチネンタルホテル東京の経営幹部らをこれらのコンビニに連れてきて体験させようという衝動に何度も駆られている。もちろん、これはANAインターコンチネンタルホテル東京一社の問題ではない。皇居の前にあるパレスホテルでも同じ体験をしたことがある。

日本の都市ホテルはそろそろ古い経営体質や意識を変えたらいかがだろうか、とついつい求めたくなる。余計なお世話か? それとも傾聴すべき利用客の声か、ANAインターコンチネンタルホテル東京の皆さんにご判断をお任せする。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
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