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上海の街角を飾り続ける日系企業の広告
莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2014年10月03日

上海において、徐々に日本企業の広告が減っているのを気にしていたが、やがて日本企業の広告があまりない街の風景に慣れてしまったというが・・・。


 
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香港や上海などで見られなくなった日系企業の広告

1980年代、90年代、香港のビクトリア港や上海の外灘は、ネオン広告が人々の目と心を引き付けるビューポイントだった。これらのネオン広告のスポンサーの多くは日本企業だった。尖沙咀(チムサーチョイ)や黄浦江畔からこうした広告を目にした人々は、日本企業と日本経済の力を実感し、感心していた。私もその一人だった。

こうした光景は厳密に言えば、今世紀の最初の頃まで続いた。しかし、近年、その光景に大きな変化が起きた。日系企業のネオン広告が急速に減っている。外部的な原因もある。上海は黄浦江に面した外灘側では広告の掲示を一切禁じるようになり、反対側の浦東サイドでも厳しい広告規制が敷かれている。一方、日本側の事情もある。ソニーやパナソニック、NHCなど日本を代表する家電メーカー、総合電機メーカーが苦境に陥ったため、広告予算が大幅に削られた一面もある。

さらに、その他の分野での日本企業の低迷と中国企業の追いつきなどの原因もあり、いつの間にか、中国の大都市の街角に日本企業の広告があまり見られなくなってきた。最初の頃、日本企業の広告が減っているのを気にしていたが、やがて日本企業の広告があまりない街の風景に慣れた。

存在感をいまでも誇示している日系企業もある

9月下旬、国際会議に出るため、上海を訪れた。メインストリートの南京路を通過したとき、街角に給湯器やガスコンロなどを製造・販売する企業、リンナイの展示室があるのに気付いた。

1993年に中国に進出し、現地で生産と販売を開始したリンナイは数年前にすでに販売シェアが中国全土で10%超、上海地区で35%を占める、と言われる。その展示室もかなり前から南京路の街角にあった。これまでは見落としていた光景だったが、日系企業の広告がだいぶ減っているいまになると、むしろ感心する存在となった。ご承知の通り、上海の地価と不動産価格が昔と比べ、ものすごく高騰してきた。繁華街の南京路でいまでもその存在感を保っているリンナイを見ると、その企業努力に敬意さえを覚えた。

今度の会議場は徐家匯(シュージアフイ)という上海の副都心の近くにある。夜、打ち合わせにホテルを出て、徐家匯に行ったら、驚いた光景に出加えた。徐家匯の交差点のところに、京セラと東芝のネオン広告が大々的に立っている。いずれも中国ビジネスで健闘している会社だ。ネオン広告を目の当たりにした私はあらためてその存在感の意義を噛みしめた。考えてみれば、東芝も京セラもしばらく取材していなかった。日本に戻ったら、リンナイも含め、これらの企業を訪問してみようか、と夜の上海の街を歩きながら考えていた。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
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