経営者の味方「0円ビジネスマッチング WizBiz(ウィズビズ)」

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  ビジネスコラム >  莫邦富的視点・21世紀の大国中国を見つめる  >  中国に進出したカルフールと不買運動の裏に  詳細

莫邦富的視点
中国に進出したカルフールと不買運動の裏に
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2008年06月12日

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ

 聖火リレーをきっかけに、中国で抗議活動のターゲットとなったカルフール。
 なぜ、カルフールがターゲットとなったのか、その背景にあるものを探る。


 
莫邦富氏
 
バックナンバー
 
上海の美味しいパン屋のコーヒー
2008年05月15日
中国富裕層市場への切り込み方を教える一冊
2008年04月17日
人民元は世界の基軸通貨となれるのか
2008年03月19日
なぜ航空会社は地方路線から撤退するのか
2008年02月21日
 
バックナンバー一覧
 

カルフールをかばう地元企業がなかった

最近、聖火リレーが世界中で話題となっている。特に聖火リレーがパリでひどい妨害行動に遭い、身障者のランナーが襲われて怪我をした。このニュースを知った中国の若者が憤慨し、抗議行動に立ち上がった。中国に進出した仏系スーパー、カルフールが不幸にもそのターゲットとなった。

抗議活動が発生した翌日、その抗議活動の最初の発生地である青島に、ちょうど仕事の関係で入った。カルフールについて長年の友人である地元関係者やメディア関係者といろいろと情報を交流する機会があった。てっきりナショナリズム的な発言が出てくるかと構えていたら、意外な話が出てきた。

スーパーやデパートに商品やサービスなどを提供する会社のことを、中国では「供給商」と呼ぶ。つまりサプライヤーだ。言うまでもなく、カルフールで働く従業員または商品などを提供するサプライヤーのほとんどは中国人と中国企業である。カルフールに対する不買の抗議は結局、これらの中国人と中国企業にも大きな痛みを与えることになるだろう。

その意味では、これらの中国人と中国企業から、カルフールに対する抗議の気持ちはわかるがターゲットを間違えてはいないか、という声が出てもおかしくない。だが、そのような声は私が知るかぎり出ていない。

友人たちによれば、じつはカルフールに対するサプライヤーの不満がずっと前からくすぶっていたという。今回の大衆の抗議活動を見て、むしろざまみろという気持ちがあり、事の推移をただ冷ややかに見守るだけで、カルフールの肩をもつ企業はなかった。

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ
プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/