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食べたい、旬の中国野菜!
莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2013年05月15日

最近、中国で普通に食べられる野菜が、一部とはいえ、次第に日本社会に浸透しているという・・・。
 


 
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初夏の味と言われるその3つの野菜の日本語名を言えますか

日本に住む中国人、特に家事を担っている女性の人たちの間で、よく出てくる会話の一つは、「スーパーに行くと、いつも同じものばかり並べてあるが、買いたい野菜はあまりない」という愚痴だ。

たしかに日本のスーパーに行くと、キャベツ、トマト、キュウリ、ジャガイモ、ダイコン、もやしといった野菜はいつも店頭には並べてあるが、季節感を演出する野菜類は中国に比べると少ない。中国にあって日本にはあまり見られない野菜も結構ある。

たとえば、初夏に近づく今だと、◎菜(◎は、くさかんむりに見)、萵苣、∇白(∇は、くさかんむりに交)などの野菜は日本のスーパーではまず見当たらない。この3つの野菜の日本語名を一発で言える人間もそうはいないだろう。試しにこの3種類の野菜の写真を事務所の日本人秘書に見てもらったら、どれも見たことがないと言っている。数人の子供をもつ母親で、毎日のようにスーパーに通っている彼女だから、食材に関する知識は普通の日本人主婦のもっているものがあるはずだ。

ちなみにこう書く私も実は、全部日本語ですぐに表現できなかったのだ。今回の原稿を書くために、調べてみると、◎菜、萵苣、∇白はそれぞれ、ヒユ菜、ちしゃ、マコモ(マコモタケ)というらしい。そのうち、∇白だけはマコモというのを知っていた。

中国版タラの芽から特産健康食材のマコモまで

5月に入ってからダイヤモンド・オンラインにアップされた私のコラムに、4月の青島出張中に出会った旬の食材が登場している。香椿の芽だ。

日本にはあまりなじみが薄いが、香椿(チャンチン)とは、葉や花に独特の香りがある落葉広葉樹のことを言う。春先に芽生えたその若葉(若芽) は中国の北方では春の高級野菜として珍重され、てんぷらや、豆腐和え、たまご炒めなどいろいろな料理に利用される。在中国日本人社会では、「中国版タラの芽」と表現される場合もある。

青島のレストランで私が一番最初に注文したのは、「香椿炒蛋(香椿芽のたまご炒め)」だった。一緒に出張していた日本人全員が美味しいと絶賛しながら、大きな皿に盛ったこの料理をあっという間に平らげた。この香椿のおかげで、みんなから「莫さんとの食事は楽しい! いろいろな旬のものを食べられるだけではなく、勉強もできた」と持ち上げられ、お世辞だとわかっていながら、やはりいい気分になった。

ところで、ダイヤモンド・オンラインのコラムにも、「香椿炒蛋」の原稿がアップされたその日に、東京の超有名なレストラン「うかい」の関係者たちがうちの事務所に来られ、「莫さんは普段、中国の北の料理をあまり取り上げないようですね」と言われ、虚を突かれた思いがした。幸い、この関係者に指摘される前に、コラムに北の旬の味を好意的に取り上げているので、辛うじて批判を逃れることができたが、食材に対するこれからの守備範囲をもっと広くしないと、と自分を戒めている。

調べてみると、近年、石川県津幡地区では、減反政策で休耕田となった水田の有効活用と地域の活性化を目的に、マコモタケの栽培に力を入れている、という情報をキャッチした。三重県菰野町も特産健康食材としてマコモを栽培している。しかも、2012年10月に、第7回「全国マコモサミット in 菰野2012」といったイベントも開催して、積極的に生産地情報を発表しているようだ。

こうして中国で普通に食べられる野菜も一部とはいえ、次第に日本社会に浸透していくのはまことに喜ばしいことだ。野菜の種類に対する在日中国人の主婦たちの悩みもやがて少しずつ解消されていくのではないか、と期待している。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
http://www.mo-office.jp/