経営者の味方「社長・経営者のための経営課題解決メディア WizBiz」

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  ビジネスコラム >  莫邦富的視点・21世紀の大国中国を見つめる  >  ペットを通して体感した町の成熟度とビジネスチャンス  詳細


ペットを通して体感した町の成熟度とビジネスチャンス
〜莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2012年12月19日

アメリカ留学帰りの筆者の娘さんの提案で、見捨てられた犬や人間の助けを必要とする犬を引き取って飼うことになった。犬を飼うことによって、今まで気がつかなかったことが見えてきたという。
 


 
莫邦富氏
 
 
著者新刊
莫邦富が案内する中国最新市場 22の地方都市
莫邦富が案内する
中国最新市場
22の地方都市

莫邦富著(海竜社刊)
価格¥1500
見た!聞いた!歩いた!徹底的な現地取材で得た「明日の星」22都市の市場魅力
 
日中「アジア・トップ」への条件
日中「アジア・トップ」
への条件

謙虚になれ中国、
寛容になれ日本

 
莫邦富著(朝日新書
)
価格777円(税込)

朝日新聞土曜「be」の好評連載「mo@china」の内容を凝縮
 
バックナンバー一覧
 

ペットとの同居が日本社会の普通の現象になりつつある

今年からわが家で犬を飼うようになった。アメリカ留学帰りの娘は、見捨てられた犬や人間の助けを必要とする犬がいるから、それを引き取って飼おうと提案した。これは家族全体の意思となった。間もなくして生後4カ月のシーズーの雌と出会った。

目に少し傷があり、未熟児だったこともあり、商品価値はないと判断したブリーダーから見捨てられてしまった。衰弱し、幼い命が絶たれようとしたところで、動物保護のボランティア団体に救出され、6月下旬、私たちが引き取り、ららと名付け、その小さな命を育てることにした。

わが家に来てまだ半年しかないららは、今や家の前の公園ではすっかり人気者となり、雨の日を除いて、毎日2回ほど、いろいろな犬の仲間やその飼い主の方々と出会い、遊ぶ。楽しい毎日を送っている。

私たちはららを通して、これまで気付かなかった多くのところを気付かせられ、そして考えさせられている。今や、新築マンションのほとんどがペット同居を前提に施設などを考えている。たとえば、わが家が入るマンションでは、貨物との共用とはいえ、ペット専用のエレベーターや出入口がある。ペットの足洗い場などの専用部屋も用意されている。都内のほかのマンションを見ると、ペットと一緒にエレベーターに乗り込むと、操作盤のところに犬同乗のボタンがある。それを押すと、このエレベーターに犬が乗っているのよということをエレベーターに乗ろうとする外の人間に知らせることができる。

高齢・少子化が進む日本社会にとっては、ペットのある生活は次第にその社会の普通の姿になりつつある。

ペット同伴を可能にするサービスで観光市場を広げる

しかし、実際、ペットを飼うと、そんなに時間がかからずに気付いたのは、ペット同伴に対する社会インフラの整備とそこの住民の意識の転換には相当な落差があることだ。

私が住む墨田区で、まず気付いたのがペット同伴のレストランの少なさだ。家周辺のレストランなどの多くはペット同伴ができるかどうか、明白な判断を出していないか、とりあえず断わる方法をとる。

ところで、六本木や表参道あたりに行くと、気のせいか、たまたまなのかわからないが、ペット同伴可の店が多いような気がする。

高速道路のサービスアリアを見ても同様の傾向がある。ドッグランが設けられるまでペット同伴の旅行者を考えるところもあれば、ペットの散歩までも禁止するところもある。

ペット同伴可の宿泊施設も地域によってはばらつきが目立つ。

こうしたばらつきに逆にビジネスチャンスを見出したところがある。伊豆半島はペット同伴の観光インフラにこれから力を入れるという話を聞いている。

石川県の能登半島には、春蘭の里と呼ばれる300世帯ほどの村がある。インバウンド旅行に力を入れ、今年9月まで、うちの事務所絡みだけでも300人前後の中国人修学旅行者を受け入れた。この間、そこを訪問したとき、ペット同伴の宿泊もできるようにしたら、と提案してみた。村の関係者がたいへんな関心を示し、すぐに試しにでもやってみようかとおっしゃった。次回は、わが家のららを連れて春蘭の里を再訪したいと私も早く心を決めた。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
http://www.mo-office.jp/