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莫邦富的視点
鳥羽で出会った素朴な人たち
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2010年09月28日

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 知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続ける莫氏によるコラムです。
 三重県の鳥羽市。24時間しか滞在しなかったにもかかわらず、強い印象を受けたという。
 


 
莫邦富氏
 
 
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インバウンドに燃える男たち

雑事に追われる身だが、この9月上旬に思い切って仕事などをすべて忘れ、鳥羽に行ってきた。1泊2日の小旅行と言いたいところだが、実質24時間未満の短い滞在だった。しかし、自分で言うのも何だが非常に充実した24時間で、地元の多くの方と出会い、深い印象を満載して、帰りの電車に乗り込んだ。

まず、鳥羽シーサイドホテルの国際担当の中国人李君に驚いた。鳥羽に暮らし始めて3年しか経っていないが、地元の人々に深く溶け込んでいる。その人脈の多彩さにひそかに頭が下がった。しかし、本人はいたって低姿勢だ。
「いや、いずれもうちの社長と副社長が教えてくださった人脈です」
「地元の人たちがいい人たちなので、私を受け入れてくれただけです」。
低姿勢が苦手の私には、眩しい光景だった。

もう一人は時頼伝説がある西明寺の住職さんだ。60世帯しかない小さな集落にある小さな寺だが、どこか浮世離れした空気が漂っていた。茶室がわりにした寺の一角で京都出身の嫁に抹茶を立てさせながら、寺の伝説を懸命に説いてくださった。その人なつこい笑顔が脳裏に鮮明に焼きつき、いつかまたゆっくりこの住職さんの話を聞きに来ようと心に誓った。

鳥羽水族館の1928年生まれの中村幸昭名誉館長も強烈な印象を残してくれた方だ。自ら1時間もかかって水族館を案内してくださったが、仕事に、海の魚たちに向けたその並々ならぬ熱意が、こちらが圧倒されるほどに伝わってくる。周恩来首相、フィリピンのアキノ大統領(当時)とも付き合っていたその人生が82歳の今も燃えている。

3人は個性も、年齢も、人生の歩みもまったく違うが、今一つの同じ目標を目指している。中国人観光客を呼び込みたいというインバウンド事業を振興させようというものだ。

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著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/