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莫邦富的視点
上海浦東空港で出会った日本の女性市長
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2010年06月08日

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 知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続ける莫氏によるコラムです。
 浦東空港で後ろから追いかけてきた、見知らぬ中年の女性に声をかけられ、名前を確かめられた。名刺を交換し、山口県宇部市の市長であることを知った。
 

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理解に苦しむ一部の自治体の姿勢

普段地方での講演が多いため、日本の地方経済が疲弊し、その振興に地元の人々がどれほど期待を寄せているのか、自分なりに理解しているつもりだ。その分、日本の一部の地方自治体の行政のあり方や経済振興に対する情熱と行動力のなさに対してかなり不満を持っている。

たとえば、次のようなことを経験したことがある。
中国のある地方都市(L市としよう)の市長が日本を訪問し、東京に近いとある市(T市としよう)の市長を表敬訪問することになった。快く訪問を受け入れてくれたのを見てL市長は感動し、これからT市と交流しようと、来日前に日本側にその考えを披露した。

だが意外なことに、その意向を知ったT市側は、「もし交流を言いだすのならば、市長との会見は取り消しだ」と逆にクレームを寄こしてきた。
T市側の姿勢は理解できなかったが、T市側の意向を尊重せざるをえなかった。結局、会見の場で、L市長はT市長に「交流しよう」といったような言葉を直接口にしなかった。

会見が終わって市役所を出た私は、市の一番の繁華街にしばらく立って街の表情を見つめた。通行人の姿はほとんど見られず、シャッターが下りた店も多数ある侘しい「繁華街」は今の日本の地方経済の厳しさを物語っている。思わずL市の繁華街の熱気を思い出した。いまだになぜT市が中国との交流に拒絶反応を起こしたのか理由は分からない。ただ、ひとつだけはっきりとわかったのはやる気のなさだ。

こうしたことを何度も経験していただけに、浦東空港で見た久保田市長の行動力と意思に感動した。チャンスがあれば、ぜひ久保田市長を応援しようと決めたのもそのためだ。

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著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/