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莫邦富的視点
タクシーが呼べない広州
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2010年01月20日

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知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続ける莫氏によるコラムです。
 中国の都市は、訪問のたびにいずれも目覚ましい発展を遂げていることが見て取れるという。しかし、広東省の広州だけは、高層ビルがどんどん増えているにもかかわらず、筆者に強烈なマイナスイメージを与えたそうだ。


 
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歩道橋から遠く離れている広州のバス停

09年12月中・下旬、10日ほど中国を訪問した。訪問先は上海、江蘇省の鎮江、揚州、蘇州、香港、広東省の広州という六つの都市だった。

広州を除くその他の都市に対しては、それぞれそれなりの問題を抱えているとはいえ、その変化ぶりには感心した。だが広州だけは強烈なマイナスイメージを心に残した。

広州市は古くより「羊城」と呼ばれ、五匹の羊の伝説がある。同市はこの都市の歴史に由来する羊をアジア競技大会のマスコットにして、突貫工事で道路幅を拡充するなど、準備に忙殺されている。

しかし、香港から直通列車で広州東駅を出た私は自分の目を疑った。タクシーを待つ人の長い列にタクシーはちらほら4、5台いるだけだった。上海駅や北京駅を出たら、タクシーが長蛇の列を作って到着する大群衆を迎える光景を見慣れている私にとっては信じられない光景だった。

出迎えに来た人から、タクシーをいくら頑張っていても拾えなかったので根負けして30分かかって歩いて駅まで来た、という説明を聞かされ、絶句してしまった。これではいつまでたってもタクシーを利用できそうにないので、バスでホテルまで移動することに決めた。

目的のホテルに着いてからわかったのはバス停の位置の不合理さだ。広い道路は中央分離帯によって分離されている。ホテルに入るためには重い荷物をもって道路を横断する歩道橋を渡らなければならないのだが、ホテル名をバス停の名前にしたこのバス停は日本の物差しで見ると歩道橋から1駅分は離れている。なぜこのバス停をもっと歩道橋に近づけないのか疑問に思った。

同時に、なぜタクシーの台数をもっと増やさないのか、とも考えた。翌日、外出する時も、バスと地下鉄の組み合わせで駆け回る羽目となった。

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プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/