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莫邦富的視点
中国語の使える携帯電話が日本に登場
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2009年01月07日

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 知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続ける莫氏によるコラムです。
 筆者が使用している日本製の携帯電話では、中国からメールが届くとそのたびに困った思いをしているそうです。まず、日本語の漢字コードにない文字は表示されない。次に、返信することができない。
 しかしやっと中国語に対応した携帯電話が日本のメーカーから発売されました。

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莫邦富氏
 
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日中・中日翻訳もできる機種

中国ビジネスには失敗してしまったが、その悔しさを少しでもこれからの商品開発に生かしていこうという思いで、間接的に中国市場に新たな挑戦を試みる企業が現われた。携帯電話の大手であるNECだ。

08年11月末に、NTTドコモから販売された「N-02A」には、様々な機能のほかに、私の目を大きく引いたものがあった。なんとこの機種は、日本メーカーが日本国内で販売する携帯電話では初めて中国語対応を基本機能にしている。もちろん、NTTドコモにおいても、初の中国語対応携帯電話になる。

メールやiモード、フルブラウザで、日本語や英語に加えて中国語の入力・表示・閲覧が可能だ。中国語入力モードには、中国本土やシンガポールで使われる簡体字モード、台湾、香港、マカオなどで使用される繁体字モードがある。しかも、中国語のローマ字発音記号である「Pinyin(ピンイン)」入力と筆順から入力する「Stroke(ストローク)」入力が用意されている。

これまで私が使用している日本の携帯電話では、中国からメールが届くとそのたびに困った思いをした。まず、日本語の漢字コードにない文字は表示されない。メールの内容を推測しながら読むしかない。次に、返信することができない。中国語入力機能がないからだ。その意味では、この携帯電話はたいへん助かる。

さらに嬉しいことに、この携帯電話には日中・中日翻訳機能も備えている。出張や旅行などに関連する言葉やセンテンスを携帯電話に向かって話すと、それを文字に翻訳して表示するのだ。

例えば、携帯電話に向けて「メニューをください」と話せば、ネットを通して「請給我菜単」という中国語が携帯に表示される。日本を訪れた中国人ならば、中国語を話して日本語に訳す方法を使えばいい。

中国に進出している日本の企業は3万社ほどあると見られている。日本に在住する中国人も60数万人で、日本国内で最大の外国人コミュニティだ。08年に日本を訪問した中国人は100万人を超えた。

飽和状態にある日本の携帯電話市場では、これからは大衆向けの商品開発だけではシェアを拡大できないだろうと思う。こうした特殊なニーズをもつ消費者群、つまり「小衆」を狙えば、市場を深く掘り起こすことが可能かもしれない。その意味ではNECの努力はいい試みだ。

もちろん、不満もある。中国語入力機能と辞書にはまだ幼稚さがかなりある。開発段階でもっと識者の意見に耳を傾けていれば、より満足度の高い商品が開発できたのではないかと思う。
がんばれ、NEC! 次はぜひ満点に近い商品を開発していただきたい。

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プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/