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莫邦富的視点
三瓶山の馨りを放つ蜂蜜に感激
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2008年11月05日

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 講演先の島根でいただいたお土産の蜂蜜。何気なくパンにつけて口にしたところ、馨しい香りが口の中で広がり、そして、文革時代以来、数十年ぶりの感動が甦ったそうです。

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莫邦富氏
 
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蜂蜜の日中農業交流もなかなかいい

さっそく松江で新しくできた友人に、メールで問い合わせた。返信メールによれば、その蜂蜜の生産者は59歳ぐらいのT氏だという。三瓶山という1126メートルの火山の麓に、戦後入った開拓農家の2代目で、数少ない「2代目が専業農家」という果樹農家である。
彼の父親が確固たる信念の持ち主で、開拓の中でもリーダー的存在だった。このお父さんの代から桃と葡萄を作り、「桃太郎農園」と名付けて、出荷専門にやっている。

しかし、友人はT氏をこのあたりでは今時めずらしい「野人」ともいえる人物だと紹介する。イノシシ猟をし、きのこを狩り、そしてミツバチ、それも、気まぐれな和蜂を追う。普通の人は、蜂を見れば逃げようとするが、彼は、大スズメバチでさえ、姿を見つけると喜々として後を追うのだ。和蜂は、どんなに条件を整えても、気に入らなければあっという間にいなくなる気まぐれな生き物だ。

この三瓶山の麓で、T氏は巣を飛び出した女王蜂とそれを囲む群を見つけると、とにかく追いかける。やがて、どこかに落ち着いたら、何とか自分の袋や箱におびき寄せ、自分の家に持ち帰って、居着いてもらう。そういうやり方で蜂蜜を取っているのだ。

T氏とは松江の講演が終わった時、紹介されて会ったはずだが、時間にしてわずか10秒あるかないかの状態だったため、顔はまったく覚えていない。しかし、蜂蜜を通して、友人の紹介メールを通して、農業が好きな方だと知ることができた。これからわが家の朝のパンにつける蜂蜜は、すべてT氏経営の農園から買おうかと真剣に考えている。

そしてもうひとつひそかに考えている計画もある。中国に帰る際に配るお土産もT氏のところの蜂蜜にしようか。私が覚えたその感動がおそらく広がるだろう。そしてひょっとしたら、食品の安全問題が注目されている中国で、日中農業交流の新しいきっかけになるかもしれないと思っている。しかし、T氏のところの蜂蜜が販売されているかどうかまだ分からない。これから確かめてみよう。

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プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/