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莫邦富的視点
中国語ネーミングで中国市場を狙え
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2008年08月07日

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 十三億の人口を抱え、各国の企業が熾烈なシェア争いを繰り広げる巨大市場・中国。その消費者の心をつかむにはどうしたらいいか。
 企業やブランドのネーミングから中国ビジネス成功の鍵を探る。


 
莫邦富氏
 
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「百威」の広告作戦

熱い北京オリンピックがやってきた。眠れぬ夜が続きそうだ。
実は、北京オリンピックはスポーツ選手が競う熱い祭典というだけでなく、今世紀最大の市場となるであろう中国を虎視眈々と見つめる多国籍企業の熱き舞台ともなる。

スポーツの競技場をビジネスの舞台とする作戦の前例はいくらでもある。
2006年の夏のことだ。今年と同じく熱いスポーツの夏だった。ドイツでサッカーワールドカップドイツ大会が開催されていたからだ。しかし、私に感動と衝撃を与えたのは、決勝戦でジダンがイタリアのマテラッツィの胸元に頭突きしたような試合での熾烈なシーンばかりではなかった。テレビ画面に映った米国のビールメーカー、バドワイザーの広告にもそれに負けぬほどの感動と衝撃を受けた。

バドワイザーはワールドカップのオフィシャルスポンサー企業で、1986年のメキシコ大会以来ずっとワールドカップに協賛してきた。試合場に同社の広告が置かれていること自体はしごく自然のことで別に驚かない。しかし、競技場内のすべての広告がアルファベットで社名または商品名をアピールしているなか、バドワイザー一社だけが漢字を出していた。それがバドワイザーの中国語ネーミングである「百威」だ。

バドワイザーはワールドカップ・オフィシャルスポンサーとして、試合場内の広告を通して地元ビールメーカーの強いドイツ市場に殴り込みをかけようとしているだけでなく、遠く離れた13億人の巨大な中国市場にも狙いを定めていた。一人当たりのビール消費量は決して多くない中国だが、2002年から国全体のビール製造量も消費量もアメリカを抜いて世界1位になっている。

バドワイザーがあえて中国語ネーミングの「百威」を前面に出したのは、明らかにテレビ観戦している熱狂的な中国人消費者を狙ってのことだ。
その意味で、今度の北京オリンピックはそれにも増しての広告激戦地となる。

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プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/