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インターネットとWiFiは、もはや観光業のインフラ
莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2016年03月18日

2011年3月11日、東日本大震災が発生したとき、インターネット環境やWiFi環境が人に命を救うということは、すでに証明されたことだが・・・。
 


 
莫邦富氏
 
 
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7年前、伊豆半島はWiFiの空白地

外国人観光客が急激に増えたことで、インバウンド事業に対する各地方の関係者の熱いまなざしが注がれている。そのため、地方自治体や関連機構の招きで地方を視察する機会も自然に増えた。

各地を回ってみると、自然にインバウンド事業に対する地方の取り組みの特徴、成功のポイント、そして問題点なども見えてくる。

たとえば、山梨県はかなり早い時点(2010年頃)から、人気の観光地におけるWiFi設備の整備に努めた。公的助成金などの費用で、ホテルや旅館のロビーにWiFiを設置するように推進していた。

伊豆半島も7年前はWiFiの空白地と言ってもいいような地域だったが、4、5数年前から旅館内でのWiFi整備事情は大幅な改善を見せている。

その辺の事情を詳しく把握したい方なら、ぜひ拙稿「日本の旅館にはWiFi環境のさらなる進化が必要だ」をご覧いただきたい。

いまやおそらくインターネット環境をまったく整備していない旅館などはもうないだろうと思う。しかし、WiFiの整備が大幅に遅れている地域はまだまだ多い。

WiFi環境のない旅館はいずれ淘汰されてしまう

かなり早い時点から、私はいろいろな場を借りて、観光地や旅館・ホテルにインターネットやWiFiの環境を導入するように呼びかけている。感動的な事例も何度も体験している。たとえば、11年前に、宇和島に講演に行ったとき、宿泊先のホテルは私のために、一つの客室だけ、インターネットが使えるように突貫工事をやってくれた。昨年、北海道の洞爺湖の湖畔にあるホテルに泊まったときも、私が泊まった2階の客室に臨時にWiFiを設置してくれた。

これは私一個人に対するサービスだけではなく、宿泊先のインターネットやWiFiなどの通信インフラに対する認識の進化を表わしている。

確かに旅館は静養する先で、インターネットやWiFiがないほうがいいと主張する声もなくはない。しかし、私はそうは思わない。

日本は地震など自然災害が多い国だ。万が一の事態が起きた場合は、インターネット環境やWiFi環境の有無は多くの人間の命にかかわる一大問題になる。2011年3月11日、東日本大震災が発生したとき、すでに証明されたことだ。

当時、私は講演のため、山口県にいたが、東京にいる妻のことを心配していた。しかし、いくら電話をかけても繋がらなかった。結局、インターネットを通して、SNSで妻と連絡が取れて、その安全を確認できたのだ。このような体験をもっている方は大勢いると思う。

それでも、観光地の旅館にインターネットやWiFiが不要だと主張できるのか? 数年後はおそらくWiFiなどを整備していない旅館などは容赦なく淘汰されてしまうと思う。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
http://www.mo-office.jp/