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中国「一人っ子政策」の廃止と新規市場の拡大
莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2015年11月05日

筆者は7年前の2008年にすでに「中国は労働力過剰時代から労働力欠乏時代へ転換すると予言していた・・・。
 


 
莫邦富氏
 
 
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中国の一人っ子政策がついに廃止

1979年に制定された中国の一人っ子政策がついに廃止することになった。

出生率をコントロールするこの政策によって、この30数年の間、推定によれば、日本の全人口の約3倍にあたる約4億人の人口増加が抑止されたという。

これまでの歩みを振り返って見ると、感慨深いものがある。日本で私が出版した最初の本は『独生子女(ひとりっこ)――爆発する中国人口最新レポート』(河出書房新社、1992年2月)であった。

この本の中で、私は一人っ子政策を「人口政策に失敗した」中国が取らざる得なくなった政策ととらえている。そして、「中国が人口世界一の座を降りる日を一日千秋の気持ちで待っている」と中国の人口減少を期待していた。

しかし、その中国の人口減少に貢献したはずの中国国民は多大な犠牲を払っている。一人っ子家庭の悩みなどを背負ってきたばかりではなく、途中で一人っ子を失わせた家庭は悲惨な日々を送らざるを得なくなってしまったのだ。

しかし、中国経済がすさまじい発展を遂げるに従って、もう一つの問題が台頭してきた。つまり、労働力の確保が次第に深刻な問題になりつつある。

7年前の2008年に、こうした問題を感じた筆者はすでに「中国は労働力過剰時代から労働力欠乏時代へ転換する」、「やがて中国は労働者輸入国になる」と予言し、労働力の急速な減少問題を指摘している。

少子高齢化は人口が多いアジアでは、もはや日本だけの問題ではなく、14億の人口を抱える中国をも悩ませている大きな社会問題になっている。

日本市場にも中国二子化の波が打ち寄せている

2015年は労働力の需要関係が逆転する年だとかなり前から言われている。まさにその年に、中国は一人っ子政策を廃止する歴史的一歩を踏み出した。

証券取引市場などはすぐに大きな反応を見せた。株価を見ると、乳業関連株はすぐに反応した。伊利が9.87%、天潤乳業が3.85%高騰した。その他の11の株は全部ストップ高となった。オムツなどの幼児用製品を製造・販売する企業の株価も評価され、高騰を見せた。住宅関連株なども熱いまなざしで見られている。

中国では、子供を16歳まで育てるために、平均して20万元(約400万円未満)がかかる。食品、おもちゃ、医療、児童服装、乗用車、教育産業などがまず恩恵を受ける。2人まで生んでいいという政策の復活により、子供関連の新規消費額は年間約1200億〜1600億元にのぼると言われる。

長い目で見れば、その政策の恩恵が日本にも及ぶはずだ。幼児関連の商品だけではなく、やがて留学、就職、旅行などの分野にも、中国の「二子化」の波が打ち寄せている。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
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