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国境を超えた決済手段になった中国のSNS
莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2015年10月01日

SNSの微信(WeChat)には決済機能があり、銀行に独占されていた国際間の支払い手段が大きく変化しているという・・・。
 


 
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WeChatなどで国境を超えた代金回収ができる

先日、貿易会社の中国人助手からある愚痴を聞かされた。国際貿易をやった経験のない中国国内のお客さんに、少額の商品代金の送金方法を一生懸命説明してもなかなか理解してもらえず、困っている、といった内容だ。

そこで、私はなぜSNSの微信(WeChat)を利用して支払ってもらわないの?と聞くと、助手は逆に驚いた。「えっ、WeChatでも払えるの」と。

そこで私は気付いた。中国人社会に深く浸透しているWeChatでも、その機能の多くなどについては、多くの中国人でもまだ把握できていない。

実は、9億人が利用していると言われているWeChatは中国が開発し、中国人社会に浸透したSNSなのだ。中国とビジネスなどで結ばれている外国人もよく使っている。その機能の中に、インターネットのお財布というものがある。それを使うと、多くの支払いを済ませることができる。たとえば、中国版新幹線の高速鉄道の切符や飛行機の航空券をネットで購入する場合、その機能を使って簡単に支払うことができる。

最近、中国の友人からのお金の返済や交通費の清算などそのWeChatの支払い機能を使って処理している。今のところ、私は中国元という通貨だけでの使用に終始しているが、外貨による金銭のやり取りもできるようだ。

出張などで中国に行く機会が少ない助手がその機能を知らなかったのも、その意味では自然なことだ。だから、WeChatのウォレット機能を試してみたら、と勧めたのだ。

見落とされた重要な情報

実は、この種の情報をおそらく多くの人も見落としていると思う。たとえば、7月に発表された次のニュースもたぶん日本ではそれほど注目されていないと思う。

中国インターネット大手のテンセントホールディングス(騰訊)の決済サービスを展開するテンペイは7月10日、日本において中国人観光客を対象にした、スマートフォン決済サービス「WeChat Payment」を本格的に導入することを発表した。日本での展開にあたってはネットスターズが代理店となり、同社子会社のウィ・ジャパンが導入店舗へのO2Oサービスを推進する。なお、中国以外での展開は、韓国に次ぎ2カ国目となる。

WeChat Paymentは、中国で約9億人を抱えるSNS「WeChat」の利用者向けに提供されている決済サービスで、2年間で3億ユーザーを超えるという。顧客は店頭での決済時にスマートフォンのWeChatアプリを立ち上げ、アプリ内でQRコードを表示する。店舗側はあらかじめ決済用アプリの入ったiPadのカメラ機能でQRコードを読み取り、支払いを確定する。QRコードの表示から支払いまでは数秒で完了するという。

詳しい情報については、下記のサイトに載っているニュースを参考にされたい。
http://japan.cnet.com/news/service/35067237/

私が注目したのは、むしろ助手を悩ませている少額商品代金の回収手段としての利用方法だ。そのSNSの支払い機能を使えば、いままで銀行に独占されている国際間の支払い手段はより豊富かつ便利になる。しかも、手数料も発生しない。あるいは発生していても少額で済ませられる。

国境を超えた決済手段にもなった中国のSNSの機能とその威力をもっと学習して進んでビジネスのツールとして活用しないといけない、とつくづくと思っている。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
http://www.mo-office.jp/