経営者の味方「0円ビジネスマッチング WizBiz(ウィズビズ)」

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  ビジネスコラム >  莫邦富的視点・21世紀の大国中国を見つめる  >  上海の美味しいパン屋のコーヒー  詳細

莫邦富的視点
上海の美味しいパン屋のコーヒー
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2008年05月15日

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ

 値段が高い割には美味しくはなかった中国のコーヒー。
 そんな中国で最近、大人気のパン屋があるという。


 
莫邦富氏
 
バックナンバー
 
中国富裕層市場への切り込み方を教える一冊
2008年04月17日
人民元は世界の基軸通貨となれるのか
2008年03月19日
なぜ航空会社は地方路線から撤退するのか
2008年02月21日
10分間のサービスに求められるプロの精神
2008年01月24日
新・新幹線での読書時間(1)/世界と比較された時の日本
2007年12月20日
 
バックナンバー一覧
 

高かった中国のコーヒーの値段

はじめて中国でコーヒーを飲んだ日本人は、きっとびっくりしてしまうだろう。味がまずいか美味しいかも問題だが、何よりも値段が高い。25元(400円)なら普通。35元、40元もざらだ。これまで私が飲んだ一番高いコーヒーは70元(約1100円)だ。

断わっておくが、以上は決して一流ホテルで飲んだものではない。街角にあるごく普通としかいいようのない喫茶店で飲んだものである。70元のときは、ブルーマウンテンだったが、おかわり自由でもなかった。中国では「コーヒーはいかが」という挨拶は安易に口にしてはいけないようだ。

値段が高い割には決して美味しくはない。ハワイに留学していた娘がお土産に持ち帰ったのがきっかけでコナコーヒーが好きになった。中国で何回か試しにコナコーヒーを頼んでみたことがある。しかし、家でコナコーヒーを飲むときに部屋に充満したあの香しさが微塵もなかった。運ばれてきたコナコーヒーと称する正体不明のコーヒーをすすりながら、すすり泣きしたくなるほど悲しくなった。
ある日から悟った。どうせ美味しくないのだから、一番安いコーヒーを頼むことにしよう。これが中国でコーヒーを頼むときの私の流儀となった。

こうして中国でコーヒーを飲みながら、いつも不思議に思う。なぜドトールコーヒーなど日本の喫茶店が中国に進出しないのだろう。なぜすぐそこにある隣国の中国に広がるビジネスチャンスに挑戦しないのだろうか、と。

大先輩の邱永漢さんがかなり前に指摘している。「中国には美味しいケーキ屋やパン屋がない。誰かがそれをやればきっと成功するだろう」。私と同じくコーヒーの値段の高さに驚いた邱さんはすぐ行動に移し、雲南省でコーヒーを作り出した。
理由は「中国はいずれコーヒー愛好家の人口が巨大な大国になる。中国自らのブランドも必要だろう。死ぬ前にそれを作りたいのだ」ということである。

数年後、邱さん自らが栽培にかかわった雲南省産のコーヒーをプレゼントしてくれた。なかなか美味しかった。家に遊びに来た日本人の友人たちに出したこともあった。

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ
プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/