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ひとりっ子世代は結婚や子育てに意欲が乏しい?

更新日:2008年12月16日

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中国在住の著者が、自身で見聞きした中国の現状を語ります。にわかには信じがたい話もありますが、本当に中国では今こうなんです。
 


 
タクシーの中に置いてあった「計画出産」の小冊子。学校では性教育をまともに教えないので、学のある大人でもロクな知識がない。
タクシーの中に置いてあった「計画出産」の小冊子。学校では性教育をまともに教えないので、学のある大人でもロクな知識がない。
 
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このコラムで以前、結婚適齢期に達したひとりっ子たち、特に男女比率の不均衡による男余りやバブルへの直面で、お金や家がなければ結婚できないとされる男性はつらい、と書いた。全体としてその傾向は続いている。ただ、最近の20代のひとりっ子たちと色々と話してみると、明らかに「価値観の変化」が見られる。

上海や北京の大都市ではなく、内陸の田舎都市でも若者の意識やライフスタイルは確実かつ急激に変化しているのだ。家族主義が強く、また男尊女卑の思想も根強く残っている中国では「跡取りとなる男(息子)が欲しい」と考える傾向が強いには強い。

しかし、自らがひとりっ子として育った若者たちには、男も女も屈託なく「(子供を授かるなら)娘が欲しい」と言う人がけっこう多いのだ。「なぜ?」と尋ねれば、「男は落ちこぼれたら悲惨。女は自分の能力がなくても、生きる術(例えば玉の輿に乗るとか)が色々あるから」だと言う。要するに「男の子は育て方も生き方も難しいから、女の子の方が楽」ということなのだ。

日本でも最近は娘を欲しがる親が多い、と何かで読んだことがあるが、理由は中国のそれと同じようなものだった。なるほど、こんな若者がもっと増えれば、男女数の不均衡は徐々に是正されていくかもしれない(もちろん、何事も極端に走る中国のこと、今度は女の子が増えすぎる可能性もなきしもあらず)。

また「子供はいらない」という若者もいる。理由は「(自分のような)ひとりっ子はかわいそうだから」という同情型と、「自分はわがままに育ったので、子供をきちんと育てる自信がない」という謙虚型の2種類が、私の知る限りでは顕著だ。前者の場合は、親の期待を一身に受け勉強ばかりして育ち、苦労して大学を出ても就職難で、給料も低い状況に甘んじる自分への皮肉が多分に含まれる。

また、子供以前に「結婚」についても「しなくてもいい」「しない!」という若者も少なくない。理由は「自信がない」「結婚のメリットが分からない」。何だか本当に日本の若者の傾向や言い分と、そっくりだ。確かに今の時代、ひとりっ子同士の結婚が普通。となると、若夫婦2人の双肩に老人4人+子供1人の計5人分の生活がかかってくる。

また核家族であっても親への仕送りは必須で、子育てを親に頼めない分、余計な支出も増える。加えて家や車を買うとなれば、「メリットがない」「自信がない」から「結婚したくない」と考えが移行しても無理はない。

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プロフィール 

五十嵐らん(いがらし・らん)
東京都出身。専門は細胞研究で、東京大学大学院修了(農学博士)。03年に中国雲南省の日米中合弁花卉企業に赴任、いきなり経営者に。05年暮れに独立、現在は農業経営コンサルティング、食品・化粧品開発などで日中を飛びまわる。著書に『世にも不思議な中国人』(ワニブックス刊)など。