見つかる!儲かる!助かる! 経営者の味方 WizBiz(ウィズビズ)

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  ビジネスコラム >  中国では今こうなんです  >  中国経済失速、最も深刻なのは物価高  詳細


中国経済失速、最も深刻なのは物価高
ベンチャー・リンク2008年7月号掲載

更新日:2008年07月28日

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ

今年初頭から、日本などの外国メディアが「中国経済の失速」を報じるようになってきた。その報道のきっかけは、上海A株(基本的に中国人しか購入できないもの)の暴落だ。
 


 
高級マンション1階の店舗は、歯抜け状態に空いている
 
バックナンバー
 
中国から上手に逃げ切った人に告ぐ
2009年07月14日
近頃、中国ではやるもの――無店舗販売
2009年05月15日
あの手この手の宣伝術、日本流も取り込んで
2009年06月09日
不況が押し寄せ不満が渦巻く
2009年04月14日
バブル崩壊か、中国不動産市場の摩訶不思議
2009年03月24日
日本のような優良中古品はあり得ない
2009年02月17日
「和を尊ぶ」の精神はいずこへ
2009年01月20日
ひとりっ子世代は結婚や子育てに意欲が乏しい?
2008年12月16日
五輪狂乱、地方はトバッチリばかりなり
2008年11月18日
五輪が最後の花火とならなければいいが
2008年08月24日
「おから工事」が被害に拍車をかけた四川大地震
2009年10月16日
チベット問題は進出企業への影響も必至
2008年06月21日
安さ競争の果てに確信犯として毒物を使う
2008年05月07日
飛行機はもう乗りたくない!
2008年04月05日
何でも売ります、何でも食べます ダイナミック中国食!
2008年03月27日
 
バックナンバー一覧
 
 

2007年10月に最高値6124を示した上海A株指数はその直後から下落し始め、3月末までにマイナス40%まで達した。その後、一時は3000を割り込んだが、政府の買い支えか、はたまた株民※たちの追加投資か、5月の大型連休の最中に4000近くまで戻しつつある。
※株民:株式投資家の中国での呼称

が、日本のバブル時もそうであったが、暴落直後の急激な上げはバブル崩壊の予想を裏付けるものでしかない。おそらく今後、最高値にまで戻すことはなく、長期間に及ぶ下降傾向を示し続けることだろう。もちろん希望的観測で書いているわけではない。株価を上げるための「好材料」がオリンピック以外に見つからないからだ。

世界的な原油および穀物の価格高騰、米国のサブプライムローン問題などはすべて中国経済に対してブレーキ、マイナス要因となる。安価な人件費と元への為替介入を繰り返して輸出力を保ってきた中国にとって、原材料高はその根底を揺るがすもの。そして元を安く保つために介入し続けたことで不動産・株がバブル化し、インフレ圧力が高まり「チェックメイト」(チェスの詰み)状態。この危ういバランスで保たれていた中国経済の一角、株が崩れたのだから「失速」と見なして当然だろう。

去年春ごろから、再三、私は物価高(特に食品)について述べてきた。この物価高は膨大な貧困層といまだに世帯月収が5万〜6万円程度の中間層に広く影響する深刻な問題である、と。これについて庶民の目線から書き加える。

1年半前の家計簿を開いてみた。すると当時1杯3元(約45円)のラーメンが現在5元(約75円)に上がり、卵10個が6元から9元に上がり、豚肉が1キロ18元から27元に上がったのが分かる。食品の値上がりは日本でも問題視されているが、中国の深刻さとは比較にならない。なぜなら日本の家庭におけるエンゲル係数(生計費に占める飲食費の割合)は平均20%、ところが中国は中流階級でも40%に及ぶのだ。

それだけでも大変なのに、地方都市まで不動産がバブル化しつつある昨今では、地道な商売をする人たちの生活が圧迫されつつある。繁華街にある友人の店の賃貸料は去年4000元だったのが今年から1万2000元に上がった。私の周囲だけで3人が今年に入って店を閉めた。

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ
プロフィール

五十嵐らん(いがらし・らん)
東京都出身。専門は細胞研究で、東京大学大学院修了(農学博士)。03年に中国雲南省の日米中合弁花卉企業に赴任、いきなり経営者に。05年暮れに独立、現在は農業経営コンサルティング、食品・化粧品開発などで日中を飛び回る。著書に『世にも不思議な中国人』(ワニブックス刊)など。