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あの手この手の宣伝術、日本流も取り込んで
ベンチャー・リンク2009年5月号掲載

更新日:2009年06月09日

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中国在住の著者が、自身で見聞きした中国の現状を語ります。にわかには信じがたい話もありますが、本当に中国では今こうなんです。
 


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世界的な不景気で、テレビやラジオ、新聞、雑誌の「広告減」が叫ばれている。一方でインターネット広告費は増加しているが、不景気は企業に「広告の費用対効果」を再検討させるいい機会になるだろう。もちろん、既存媒体も従来のある種の殿様商売を見直さねば、ネットにやられてしまう。この不況は、いい意味で広告改革が起こりそうである。ところで、日本と中国では当然のごとく企業の広告の仕方に何かと違いがある。

まず、日本では一般的な電車内の中吊り広告。関東在住の勤め人は平均で一日1時間20分前後の通勤時間があるという。そのうちの相当数が電車を利用していることだろう。ピーク時のラッシュともなると電車内で身動きもままならず、「中吊り広告」を眺める機会が多くなる。さらに、最近は液晶モニター広告もあって興味をそそられる。読書したり携帯をいじったりも結構だが、長時間乗るために少々飽きる。となれば、自然とあの画面に目が向く。無音声で文字が流れるだけでも、その日の天気やニュース、頭の体操からマンガまであり、飽きさせない構成はさすが日本と唸ってしまう。

さて中国。今のところ、地下鉄が整備されている都市(大陸)は私の知る限り、北京や上海など6都市。他の都市でも整備されつつあるが、市民の足はまだバスの方が一般的だろう。ところが、地下鉄車内にもバス車内にも、日本のような中吊り広告はあまりない。液晶パネルが設置されている場合も多いが、たいていはニュースか宣伝が流れるだけで単調だ。また、地下鉄もバスも、壁やつり革、椅子の背に広告スペースが設けられてはいるが、あきが目立つ。毎日、日本とは比較にならないほどの膨大な数の人々が利用するというのに、なぜ、広告が少ないのか。それは、「乗っている時間が日本と比べて圧倒的に短い」というのが一因に思える。

中国人の通勤時間は大都市でも平均30分前後。となれば、確かに見る時間も短く、広告効果は薄い。言い換えれば、それだけ日本人が長時間でも我慢強く公共交通機関を使って通勤していることの証明でもあるのだが、ともあれ中国の公共交通機関内の宣伝費は社会構造上、あまり伸びそうにないと個人的に思う。

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プロフィール

五十嵐らん(いがらし・らん)
東京都出身。専門は細胞研究で、東京大学大学院修了(農学博士)。03年に中国雲南省の日米中合弁花卉企業に赴任、いきなり経営者に。05年暮れに独立、現在は農業経営コンサルティング、食品・化粧品開発などで日中を飛びまわる。著書に『世にも不思議な中国人』(ワニブックス刊)など。