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近頃、中国ではやるもの――無店舗販売
ベンチャー・リンク2009年4月号掲載

更新日:2009年05月15日

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中国在住の著者が、自身で見聞きした中国の現状を語ります。にわかには信じがたい話もありますが、本当に中国では今こうなんです。
 


 
ふだんは店主が近くに隠れていて、客が来たら近寄る形の露天商。
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「売ります!」「至急!」などと張り紙された車が見られるようになった。これも一種の露天商?

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中国に多い商売方法の1つに、路上で品物を売る「露天商」がある。車で乗り付けてきて偽ブランド品のバッグや洋服を、その車ごと簡易店舗にして売るような“高級ブティックスタイル(?)”から、DVDやゲームソフト、携帯電話ケースや時計などの小さくて高価なものをリュックで背負ってきて路上に広げる“にわか秋葉原スタイル”、さらにはオーソドックスな天秤に野菜や果物を入れて売る“どこでも八百屋スタイル”など販売方法も品物も様々だ。

路上販売していい場所で、その許可をきちんと取ったうえでの露天商もいるが、ゲリラ的に出没する“無許可露天商”のほうが多い。特に出稼ぎ労働者の露天商は、ほとんどが無許可だ。そのせいか、この原稿を書くにあたって、かなりの露天商に向かってカメラを構えてみたが、たいていは怒られた。「撮るな!」と飛びかかってくる人も少なからずいて、コソッと遠くから素早く撮らざるを得なかった。

ともあれ、資金力のない若者や田舎からの出稼ぎ者にとってみれば、露天販売は手っ取り早い。経済失速や大卒者の就職難、出稼ぎ労働者の大量失業が叫ばれる昨今の中国では、この手の露天商がますます増えていくであろう。良し悪しは別として、中国人は実に商魂たくましいのである。

最近、とみに増えているのが衣料品露天商。衣料品は腐らないことが強みだ。さらに、若者がにわかにおしゃれになったうえ、親の財布まで握っているような時代にマッチした商品といえる。就職難を受けて、卒業したばかりの大卒露天商もいるそうで、資金力も販売力も就職先もない若者でもできる商売の1つとして、人気があるという。大学の近くや、繁華街の路上には毎夜多くの衣料品露天商が集まるのが、多くの都市の見慣れた光景だ。

次に目立つのが食べ物系。これは露天商のみならず店舗としても中国で最も多い商売の1つだろう。肉まんやマントウ、餃子などの蒸しもの系、串焼き肉やクレープなどの焼きもの系、ジャガイモや油条(ユーテャオ)などの揚げ物系、ランクが少し上がって麺類やチャーハンなどのガッツリ調理系。それらは多少なりとも道具が必要なので、たいていがワゴン車や大八車、自転車などを改造した移動店舗形態である。設備投資が難しい人は、パイナップルをむいて串に刺したものやスイカ、サトウキビなど、切って売るだけ系のものを手がける。

このシンプルな露天商は、やはり出稼ぎ農民が圧倒的に多い。そして彼らの多くが無許可販売なので、常に周囲の様子をうかがっていて、警察が来ると蜘蛛(くも)の子を散らすようにいなくなる。衣料と食べ物の二大露天商に加えて、各種の雑貨を売る露天商が、“中国三大露天商”だと個人的に思う。

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プロフィール

五十嵐らん(いがらし・らん)
東京都出身。専門は細胞研究で、東京大学大学院修了(農学博士)。03年に中国雲南省の日米中合弁花卉企業に赴任、いきなり経営者に。05年暮れに独立、現在は農業経営コンサルティング、食品・化粧品開発などで日中を飛びまわる。著書に『世にも不思議な中国人』(ワニブックス刊)など。