経営者の味方「0円ビジネスマッチング WizBiz(ウィズビズ)」

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  ビジネスコラム >  中国では今こうなんです  >  日本のような優良中古品はあり得ない   詳細


日本のような優良中古品はあり得ない
ベンチャー・リンク2009年1月号掲載

更新日:2009年02月17日

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ

中国在住の著者が、自身で見聞きした中国の現状を語ります。にわかには信じがたい話もありますが、本当に中国では今こうなんです。
 


 
実家の浴室の窓。上側のタイルを直したのだが、技術が巧みでほとんど修理の跡が分からない。
実家の浴室の窓。上側のタイルを直したのだが、技術が巧みでほとんど修理の跡が分からない。
 
バックナンバー
 
中国から上手に逃げ切った人に告ぐ
2009年07月14日
近頃、中国ではやるもの――無店舗販売
2009年05月15日
あの手この手の宣伝術、日本流も取り込んで
2009年06月09日
不況が押し寄せ不満が渦巻く
2009年04月14日
バブル崩壊か、中国不動産市場の摩訶不思議
2009年03月24日
「和を尊ぶ」の精神はいずこへ
2009年01月20日
ひとりっ子世代は結婚や子育てに意欲が乏しい?
2008年12月16日
五輪狂乱、地方はトバッチリばかりなり
2008年11月18日
五輪が最後の花火とならなければいいが
2008年08月24日
「おから工事」が被害に拍車をかけた四川大地震
2009年10月16日
中国経済失速、最も深刻なのは物価高
2008年07月28日
チベット問題は進出企業への影響も必至
2008年06月21日
安さ競争の果てに確信犯として毒物を使う
2008年05月07日
飛行機はもう乗りたくない!
2008年04月05日
何でも売ります、何でも食べます ダイナミック中国食!
2008年03月27日
 
バックナンバー一覧
 
 

先だって日本に帰国した際、集めたい物があってリサイクルショップを何軒もまわった。立地や品ぞろえをインターネットである程度調べてから店舗をまわったのだが、その「取扱商品」の種類と数の多さたるや!

家具、電化製品、バイクや自転車、文具などからアンティークおもちゃや楽器などまで多種多様、もう見てまわるだけで楽しくて仕方ない。もちろん状態もよく、新品同然や新古品も多いから「中古品」という感覚さえ希薄になる。

この「中古品を甦らせる技術」の高さは、日本の特筆すべき部分だろう。もちろん恵まれた条件が元々ある。(1)高品質の品物が手頃な値段で手に入りやすい。(2)ていねいに使う人が多い。(3)修理・修繕技術が高く、新品に近い状態にまで戻せる。これらの土壌があるからこそ、日本は中古品のレベルが高い。

私事で恐縮だが、日本滞在中に実家で、浴室の窓枠上のタイルがはがれた。修理に呼んだ業者は、浴室の「清潔ぶり」と「長持ちぶり」に驚いた。何と築21年にして“初めて”タイルがはがれたのだ。そばで工事の様子を見ていた私は、湿気の多い日本の、しかも浴室に、21年間もはがれないタイルを貼る業者と、またそのタイルを周囲の壁となじませて目立たなくさせる業者の「修理技術」に、心底から感嘆した。21年間も浴室をきれいに使い続けた母にも。

なるほど、専門家の技術の高さもさることながら、私の母のような普通の主婦でも持っているメンテナンス(整備)意識の高さが、日本の技術への「いい相乗効果」を生んでいるのだな、と思ったものだ。

話はリサイクルショップに戻る。私が特に驚いたのが古着である。「シミ」「よれ」「黄ばみ」が目立ちやすい白いブラウスやシャツまでも、大量に陳列されている。有名ブランド品のみならず「メード・イン・チャイナ」の大量生産品までも、使用感のある古着を見事にクリーニングして、売り物になるレベルに引き上げてある。これを「当たり前」だと思ってはいけない。少なくとも中国ではまだ「難しい」ことなのだから。

なかでも、沿岸大都市部を除く大部分の地域では、日本のリサイクルショップは夢のような店である。そもそも、リサイクルしてもなお価値がある(残る)品が少ない。例えば、新品で買っても3年持たないとされる中国ブランド家電。テレビやDVDプレーヤー、洗濯機などの中古家電を売る「町の修理屋」はゴロゴロあるが、多くは「故障品」をそのまんまで売っている。まだ使える家電を買い替えの際に売る中国人は、まだそう多くない。つまり、「家電の中古品=壊れて捨てられたもの」であり、しかも新品でもすぐ壊れるのだから、直す価値もないものである。これら中古家電は内部の有益な部品だけ取り出され、多くが廃棄処分される運命で、環境汚染の原因のひとつとなる。

  • 最初へ
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ
  • 最後へ
プロフィール

五十嵐らん(いがらし・らん)
東京都出身。専門は細胞研究で、東京大学大学院修了(農学博士)。03年に中国雲南省の日米中合弁花卉企業に赴任、いきなり経営者に。05年暮れに独立、現在は農業経営コンサルティング、食品・化粧品開発などで日中を飛びまわる。著書に『世にも不思議な中国人』(ワニブックス刊)など。