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「和を尊ぶ」の精神はいずこへ
ベンチャー・リンク2008年12月号掲載

更新日:2009年01月20日

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中国在住の著者が、自身で見聞きした中国の現状を語ります。にわかには信じがたい話もありますが、本当に中国では今こうなんです。
 


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約1年ぶりに日本へ戻り、友人知人たちと楽しいお酒を飲み交わす毎日を送った。
今の時代を反映しているとでもいおうか、友人知人のうち半数近くが30代半ばを過ぎて独身、既婚者も3分の1ほどは「子なし」である。そして、既婚の友人たちは、ほぼ全員が有職者。結婚しようと子を産もうと、仕事を続ける女性が非常に多いのだ。そのため、話の内容が「夫や子供に関すること一辺倒」にならず、立場が異なっても友情が続きやすいのが、現代既婚女性の特徴かもしれない(もちろん地域や職種、年齢などによって、既婚女性の有職率は変わるだろうが)。

それはともかく、友人たち、特に子を持つ母親たちは「メラミン混入粉ミルク」が本当に日本に入ってないのかと真っ先に尋ねてくる。事実、大手企業の冷凍食品や輸入菓子、果ては家畜飼料にまで混入しているとなれば、もはやその汚染範囲は底なし、ましてや粉ミルクなど赤ちゃんしか飲まない=子供が被害者、となれば不安はよく分かる。それにしても、もう何度目だろうか?「中国産食品の問題」が起こるのは。

この粉ミルク。危険性は、以前から中国国内では噂されていた。餃子事件の時の「冷凍食品は何が入っているか分からない」「いつ作られたか分からない」という噂と同様に、「粉ミルクは増量のために毒物を混ぜている」と、まことしやかにささやかれている。

私など、中国に来たばかりの頃は、こういう噂はほぼ全部が「口裂け女」や「スイカの種を飲んだら、胃で成長する」などの“都市伝説”だと思っていた。それほど信じがたく、荒唐無稽な話に聞こえたものだったが、もはや私どころか日本に住み中国に行ったこともない主婦たちさえ、「中国ならやりかねない」と考えるに足るだけの事件が起こってしまっている。

そして最近では日本国内企業が自然界においては強力なカビ毒である「アフラトキシン汚染米」を売っていたという。毒物や違反物質が意図せず混ざってしまうことはあろう。しかし、確信犯で毒物を売るようなことを日本はよもやするまい、と思っていた私の、いや日本人の多くの信頼はもろくも崩れ去った。これでは中国のことをとやかく言えないではないか。

東京某所の無人うどん販売所。料金箱が無造作に置いてあり、うどん生地の切れ端を無料で提供していた。中国ではありえない光景。
東京某所の無人うどん販売所。料金箱が無造作に置いてあり、うどん生地の切れ端を無料で提供していた。中国ではありえない光景。
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プロフィール 

五十嵐らん(いがらし・らん)
東京都出身。専門は細胞研究で、東京大学大学院修了(農学博士)。03年に中国雲南省の日米中合弁花卉企業に赴任、いきなり経営者に。05年暮れに独立、現在は農業経営コンサルティング、食品・化粧品開発などで日中を飛びまわる。著書に『世にも不思議な中国人』(ワニブックス刊)など。